エンゼルスのマイケル・ローレンゼンの成績。投手と外野の二刀流

マイケル・ローレンゼンスポーツ

エンゼルスはレッズからFAとなっていたマイケル・ローレンゼンの獲得を発表しました。

マイケル・ローレンゼン

ローレンゼンは2015年のメジャーデビューから7年間、レッズでプレーしてきた29歳です。(2022年1月に30歳)

主にリリーフ投手として活躍してきたローレンゼンですが、外野手や代打、代走での出場経験もあります。

リリーフとしての実績は十分ですが、1年契約で675万ドル(7.6億円)という年俸は高いです。

同じくFAで獲得したループも2年契約で1700万ドル(年850万ドル)と、中継ぎピッチャーとしてはかなり高かったのですが、それでもループは2021年の防御率が0.95と抜群の成績でした。

一方、ローレンゼンは2021年は防御率5.59、2020年も防御率4.28だったので、ここ2年間は良い成績を残せていません。

どういう起用になるかはわかりませんが、少なくとも「中継ぎのみ」の働きを期待して1年675万ドル(7.6億円)という高額な契約になったのではないと思います。

 

本記事では、ローレンゼンの投手・野手成績、投手としての特徴、野手としての特徴を紹介します。

 

ローレンゼンの投手成績

登板HLDSV防御率WHIPK%BB%
201527113105.401.666.64.5
201635501002.881.088.62.3
201770831824.451.358.73.7
20184581813.111.386.03.8
201973832172.921.159.23.0
20201833204.281.409.44.5
202127291145.591.386.54.3
登板HLDSV防御率WHIPK%BB%
通算29547371144.071.377.73.8

HLD=ホールド、SV=セーブ、K%=奪三振率、BB%=与四球率

中継ぎとしてはそれなりの成績が期待できるが暴投が多い

先発での登板は2015年が21試合、2018年が3試合、2020年が2試合でした。

ローレンゼンは先発では実績を残していません。

一方、リリーフとしては2017年と2019年に70試合以上の登板をこなし、特に2019年は防御率2.92と良い成績を残しました。

通算でもリリーフだけの成績なら防御率3.74、WHIP1.28、被打率.238とまずまずの成績で、2021年のシーシェクやマイヤーズぐらいの成績は残せると思います。

 

ただし、コントロールに難がありそうです。

2020年、2021年の与四球率は4.3、4.5と高めで、中継ぎで出れば2試合に1試合は四球を出すようなピッチャーです。

また、ローレンゼンは暴投が多いです。

2017年にはナ・リーグで5番目に多い12個の暴投を記録しました。

暴投ランキングは、投球回の多い先発ピッチャーがランクインすることが多いのですが、中継ぎのローレンゼンが入ってしまいました。

毎年暴投が多いわけではありませんが、2021年も29イニングで5暴投を記録しており、終盤のピンチの場面で登板させるのは勇気がいります。

ローレンゼンの球種、球速

ローレンゼンの球種

<平均球速>

マイルキロ
カットボール92.0148.1
ストレート96.7155.6
チェンジアップ87.2140.3
スライダー85.3137.3
シンカー95.7154.0
カーブ82.4132.6

 

1つの球種にかたよることなく、多彩な変化球を投げ分けます。

ローレンゼンの1番のボールはストレートです。

ストレートは平均球速が96.7マイル(155.6キロ)と速いだけでなく、平均回転数2409とメジャー上位11%に入る高い回転数が持ち味です。

奪三振の多いタイプではありませんが、このストレートを武器にしながら変化球を多く混ぜることで、成績の良いシーズンでは被ハードヒット率が低くなるピッチャーです。(強打されにくい)

 

<2020年ポストシーズンでの投球>

ローレンゼンの野手成績

打撃。投手なのにホームランが多い

試合打席本塁打打点打率出塁率長打率OPS
2015304104.250.270.306.576
201635513.200.200.8001.000
2017701211.167.167.417.583
20185434410.290.333.7101.043
20191005316.208.283.313.596
202061001.000
202126100.000.000.000.000
試合打席本塁打打点打率出塁率長打率OPS
通算321147724.233.282.429.710

打席が少ないので各年の成績は参考にはなりません。

通算で見れば打率.233、OPS.710とピッチャーとは思えないほど良い成績です。

また、通算の本塁打率は19.0と高く、これは松井秀喜が自身メジャー最多の31本塁打を打った2004年の本塁打率18.8と差のない数字です。

<1週間で満塁弾を含む3本塁打>

 

一方で三振率は32.0%と非常に高く、四球率は4.8%と非常に低いです。

投手の打撃としては素晴らしいですが、野手の打撃としては微妙です。

そしてローレンゼン自身も野手で出場した時よりも、投手や代打で出場した時のほうが成績が良いという変わった特徴があります。

<ポジション別の打撃成績>

試合打席本塁打打点打率出塁率長打率OPS
投手6284417.299.325.506.831
代打292937.192.250.577.827
外野153400.100.206.100.306

 

<ピッチャーなのに逆方向へのホームラン>

走力。メジャー上位の俊足で代走適性もあり

ローレンゼンは足が速いです。

2020年と2021年はデータがありませんが、2019年のスプリントスピードは28.8フィート/秒で、メジャー564人の中で67番目でした。

2021年のエンゼルスのスプリントスピードは以下のようになっており、年度は違いますがローレンゼンは大谷並みのスピードであることがわかります。

<2021年エンゼルスのスプリントスピード上位選手>

  • アデル 29.9
  • トラウト 29.3
  • ベラスケス 29.3
  • ゴセリン 29.2
  • ウェイド 29.1
  • マーシュ 29.1
  • 大谷 28.8
  • ローレンゼン 28.8(2019年)

 

また、ローレンゼンは通算で5盗塁(2盗塁死)を記録しています。

特に代走では9試合で3盗塁(0盗塁死)を決めており、そのスピードは大きな武器になりそうです。

(盗塁、盗塁死ともに2019年シーズンだけにしか記録されていません。)

守備。投手なのにセンターでの出場が多い

ローレンゼンは野手としてはレフト、センター、ライトでの出場があります。

俊足をいかしてセンターを守ることが多く、野手としてスタメン出場した6試合も全てセンターでの出場でした。

<各ポジションでの出場イニング数>

ピッチャーレフトセンターライト
2015113
201650
201783
2018811
2019739764
2020334
20212911

 

出場イニングが非常に少ないので、守備指標を用いての評価はすべきではないのですが、参考までにメジャー通算のDRSとUZRを記載します。(Wikipedia:DRSUZR

イニングDRSUZR
レフト90
センター8110.2
ライト600.1

イニングが少なすぎますが、守備の上手い選手が集まるセンターでしっかりプラス評価なのはすごいです。

ローレンゼンは外野手として36試合96イニングに出場し、29捕殺、1刺殺を記録し、エラーはゼロです。

刺殺まで決めているところがもはや笑えてくるのですが、エンゼルスにありがちな「とりあえず外野に置いておけ」という感じではなく、きっちり守れるタイプの外野手だと思います。

<ローレンゼンのダイビングキャッチ>

 

<ローレンゼンの刺殺>

https://twitter.com/Reds/status/1178144918797262853

総合評価

投走攻守を含めた選手の総合評価としてWARという指標があります。(Wikipedia

投手WAR野手WAR合計WAR
2015-0.60.3-0.3
20161.30.11.4
20170.10.10.2
20181.30.72.0
20192.10.42.5
20200.30.00.3
20210.00.00.0

2019年までは投手成績も野手成績も比較的良かったので、トータルのWARも高くなっています。

中継ぎでWARが2.0もあれば優秀です。

<※参考。2021年エンゼルスのWAR上位>

  • 大谷 9.0
  • ウォルシュ 2.9
  • R・イグレシアス 2.8
  • サンドバル 2.2

>> 2021年エンゼルスのポジション別WAR。補強ポイントはどこ?

 

しかし、ローレンゼンはここ2年間は投手成績が振るわず、野手としての出場もほぼありません。

エンゼルスの外野はトラウト、マーシュ、アデル、ウォード、アプトンとそれなりにやれそうな選手がそろっており、ローレンゼンの二刀流の復活に期待するような状況でもないように感じます。

一部では中継ぎではなく先発候補という話もあるようですが、あらためて1年675万ドル(7.6億円)という契約は高く、すでにシンダーガードでギャンブルをしているエンゼルスに、ローレンゼンでもギャンブルする余裕があったかどうかは不明です。

 

それでもローレンゼンの選手としての特徴は魅力的で、本記事で成績をまとめていてもとても楽しかったです。

「球が速くて、ホームランが打てて、足が速い」という、誰かに似ている特徴を持っているので、第2の大谷として二刀流が成功してくれると嬉しいです。

 

<ベーブルース以来の同一試合で勝利投手、本塁打、野手出場>

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