エンゼルスのループはナ・リーグNo.1の中継ぎ変則左腕

アーロン・ループスポーツ

エンゼルスはメッツからFAとなっていたアーロン・ループ(2021年12月で34歳)の獲得を発表しました。

アーロン・ループ

2年契約で総額1700万ドル(19億円)で、3年目となる2024年も750万ドル(8.5億円)で契約できるオプションが球団側にあります。

ループは2012年のメジャーデビューから10年間、毎年メジャーの舞台で投げているベテランリリーフです。

ベテランながらも2021年に大躍進を遂げ、防御率0.95はナ・リーグで30イニング以上投げたリリーフ投手の中では2番目に良い成績でした。(防御率が1番良かったのは名クローザーのキンブレルの0.49ですが、ア・リーグのホワイトソックス移籍後の成績も含めると防御率2.26)

2021年ナ・リーグNo.1中継ぎのループの加入は、ブルペン立て直しが急務のエンゼルスにとって素晴らしい補強となりそうです。

ループのメジャーでの成績

登板HLDSV防御率WHIPK%BB%
20123330602.640.916.20.6
20136469822.471.146.91.7
201471681343.151.177.33.9
20156042904.461.289.81.5
20162114105.021.339.42.5
20177057603.751.5310.04.5
201859391104.541.5610.03.2
201943100.000.9013.52.7
20202425402.520.847.91.4
202165561600.950.949.12.5
登板HLDSV防御率WHIPK%BB%
通算4714077563.051.198.52.7

HLD=ホールド、SV=セーブ、K%=奪三振率、BB%=与四球率

コントロールが良く、被本塁打が少ない

ループは中継ぎ一筋で長期にわたって実績を残しています。

2015年~2019年ごろの成績はどこにでもいる中継ぎのように感じるかもしれませんが、その期間も2017年を除けば与四球率は低く安定しています。(※2021年のエンゼルスのシーシェクの与四球率は5.4)

また、9イニング当たりの被本塁打数はキャリア通算で0.6と非常に低いです。

そして前述したように、キャリアハイとなった2021年は防御率0.95、WHIP0.94と素晴らしい成績でした。(WHIP=1イニングあたりに出したランナーの数)

ただし被BABIPが.259と低く、運が良かった可能性もあるので、2021年の成績は少し出来すぎだったかもしれません。

(BABIP=グラウンドに飛んだ打球がヒットになる確率。投手の被BABIPは長期で見れば.300ぐらいに落ち着く。>> Wikipedia

中継ぎでリーグ1位のWAR

選手の総合評価としてWARという指標があります。(Wikipedia

2021年のループのWARは2.8でリリーフ投手としてはブルワーズの守護神ヘイダーに次いでリーグで2番目に高い値で、中継ぎではトップです。

リーグは違いますがエンゼルスの守護神イグレシアスのWARも2.8なので、同じぐらいチームの勝利に貢献していることになります。

ループの球種、球速

ループの球種

 

<平均球速>

マイルキロ
シンカー92.4148.7
カットボール84.7136.3
チェンジアップ79.9128.6
カーブ75.6121.7

 

シンカー、カットボールの速球系が8割以上を占めますが、ストレートは投げません。

速球中心でも150キロを大きく超すような豪速球で押していくタイプではなく、動きの大きなシンカーを中心に投げ込んでいきます。

決め球ともなるチェンジアップは強力で、2021年は23打数で1被安打13奪三振と抜群の成績を残しました。

2021年は対メジャー平均比でチェンジアップ、カーブ、シンカーの変化量が大きく向上し、これが大活躍の要因だったようです。

ループは大事な場面に弱い?

ここまで見てきたようにループは中継ぎとして文句なしの活躍をしています。

セットアッパーとして獲得したのだと思いますが、もし守護神イグレシアスがエンゼルスと再契約しない場合は、ループが抑えとして起用される可能性もあるかもしれません。

しかし、ループは重要な場面でやや成績が落ちるというデータがあります。

単純に得点圏にランナーがいるかどうかではなく、勝敗が大きく変わる可能性がある場面をハイ・レバレッジ(High)、勝敗に影響しない場面をロウ・レバレッジ(Low)、普通の場面をミドル・レバレッジ(Middle)と分ける考え方があります。

  • ハイ・レバレッジの例:同点の試合の終盤でランナー2塁の場面
  • ロウ・レバレッジの例:15点差の試合の終盤でランナー2塁の場面

この3つの場面別の成績をループ、イグレシアス、シーシェクで見てみます。

<2021年のループのレバレッジ別成績>

被打率被OPSWHIPK%BB%
Low19.162.3670.7911.81.9
Middle25.160.4930.848.32.9
High12.295.7171.346.42.8

 

<2021年のイグレシアスのレバレッジ別成績>

被打率被OPSWHIPK%BB%
Low25.221.7511.0712.42.1
Middle15.190.5620.8315.51.2
High29.204.5060.8612.71.2

 

<2021年のシーシェクのレバレッジ別成績>

被打率被OPSWHIPK%BB%
Low33.237.6721.729.47.2
Middle19.253.6651.227.32.3
High15.220.6551.337.85.4

※K%=奪三振率、BB%=与四球率

 

セーブがつく場面で安定感抜群だったイグレシアスは、やはりハイ・レバレッジ場面に強いです。

逆にループはハイ・レバレッジ場面では大きく成績が下がります。

ロウ・ミドルでの成績が非常にいいので、落ちると言ってもすごく悪い成績になるわけではありませんが、それでもこの場面ではシーシェクよりも悪い成績です。

ループはトータルでは素晴らしい成績を残しており、防御率やWARは中継ぎNo.1かもしれませんが、重要な場面を任せられる選手ではない可能性があります。

ブルペンが崩壊気味のエンゼルスに必要な選手であることは間違いないのですが、2年契約で総額1700万ドル(19億円)は少し思い切った金額だと思いました。

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