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エンゼルスのループは元ナ・リーグNo.1の中継ぎ変則左腕

アーロン・ループスポーツ

2021年11月エンゼルスはメッツからFAとなっていたアーロン・ループ(当時34歳)の獲得を発表しました。

2年契約で総額1700万ドル(22億円)で、3年目となる2024年も750万ドル(9.7億円)で契約できるオプションが球団側にあります。

ループは2012年のメジャーデビューから毎年メジャーの舞台で投げているベテランリリーフです。

ベテランながらも2021年に大躍進を遂げ、防御率0.95はナ・リーグで30イニング以上投げたリリーフ投手の中では2番目に良い成績でした。

2021年ナ・リーグNo.1中継ぎのループの加入は、ブルペン立て直しが急務のエンゼルスにとって素晴らしい補強となる予定でしたが、2022年は低調な成績に終わりました。

生年月日1987/12/19
身長180cm
体重95kg
投手左投左打
ドラフト2009年
9巡目(全体280位)

ループのメジャーでの成績

登板HLDSV防御率WHIPK9BB9
20123330602.640.916.20.6
20136469822.471.146.91.7
201471681343.151.177.33.9
20156042904.461.289.81.5
20162114105.021.339.42.5
20177057603.751.5310.04.5
201859391104.541.5610.03.2
201943100.000.9013.52.7
20202425402.520.847.91.4
202165561600.950.949.12.5
202265581913.841.308.03.4
登板HLDSV防御率WHIPK9BB9
通算5364669673.151.218.42.7

HLD=ホールド、SV=セーブ、K9=奪三振率、BB9=与四球率

コントロールが良く、被本塁打が少ない

ループは中継ぎ一筋で長期にわたって実績を残しています。

2015年~2019年ごろの成績はどこにでもいる中継ぎといった感じですが、2020年から与四球率が低く、安定した投球になっています。

また、9イニング当たりの被本塁打数はキャリア通算で0.67と低いです。

特にキャリアハイとなった2021年は防御率0.95、WHIP0.94、被本塁打率0.16と素晴らしい成績でした。(WHIP=1イニングあたりに出したランナーの数)

しかし2022年は与四球率がメジャー平均並みになり、防御率3.84、WHIP1.30と最近の中では物足りない成績となりました。

2021年は中継ぎでリーグ1位のWAR

選手の総合評価としてWARという指標があります。(Wikipedia

2021年のループのWARは2.8でリリーフ投手としてはブルワーズの守護神ヘイダーに次いでリーグで2番目に高い値で、中継ぎではトップでした。

リーグは違いますがエンゼルスの守護神イグレシアスのWARも2.8なので、同じぐらいチームの勝利に貢献していたことになります。

しかし2022年のWARは-0.9で投手ではチーム最下位でした。

ループの球種、球速

ループ球種2022

 

<平均球速>

マイルキロ
シンカー91.2146.8
カットボール84.7136.3
チェンジアップ80.3129.2
カーブ76.0122.3

シンカー、カットボールの速球系が9割ほどを占めますが、ストレートは投げません。

速球中心でも150キロを大きく超すような豪速球で押していくタイプではなく、動きの大きなシンカーで打ち取ります。

決め球ともなるチェンジアップは強力で、2021年は23打数で1被安打13奪三振と抜群の成績を残しました。

2021年は対メジャー平均比でチェンジアップ、カーブ、シンカーの変化量が大きく向上し、これが大活躍の要因だったように見えました。

しかし、2022年はシンカーの変化量は大きいままですが、かなり打たれています。

<シンカー>

  • 2021年:被打率.214 被長打率.305
  • 2022年:被打率.280 被長打率.413

ループは大事な場面に弱い?

2021年のループは中継ぎとして文句なしの活躍をしていました。

エンゼルスはセットアッパーとして獲得したはずですが、ループは重要な場面でやや成績が落ちるというデータがあります。

単純に得点圏にランナーがいるかどうかではなく、勝敗が大きく変わる可能性がある場面をハイ・レバレッジ(High)、勝敗に影響しない場面をロウ・レバレッジ(Low)、普通の場面をミドル・レバレッジ(Middle)と分ける考え方があります。

  • ハイ・レバレッジの例:同点の試合の終盤でランナー2塁の場面
  • ロウ・レバレッジの例:10点差の試合の終盤でランナー2塁の場面

この3つの場面別の成績をループ、イグレシアス、シーシェクで見てみます。

<2021年のループのレバレッジ別成績>

被打率被OPSWHIPK9BB9
Low19.162.3670.7911.81.9
Middle25.160.4930.848.32.9
High12.295.7171.346.42.8

<2021年のイグレシアスのレバレッジ別成績>

被打率被OPSWHIPK9BB9
Low25.221.7511.0712.42.1
Middle15.190.5620.8315.51.2
High29.204.5060.8612.71.2

<2021年のシーシェクのレバレッジ別成績>

被打率被OPSWHIPK9BB9
Low33.237.6721.729.47.2
Middle19.253.6651.227.32.3
High15.220.6551.337.85.4

※K9=奪三振率、BB9=与四球率

 

2021年はセーブがつく場面で安定感抜群だったイグレシアスは、やはりハイ・レバレッジ場面に強いです。

逆にループはハイ・レバレッジ場面では大きく成績が下がります。

ロウ・ミドルでの成績が非常にいいので、落ちると言ってもすごく悪い成績になるわけではありませんが、それでもハイ・レバレッジではシーシェクよりも悪い成績でした。

ループはトータルでは素晴らしい成績を残しており、防御率やWARは中継ぎNo.1かもしれませんが、重要な場面を任せられる選手ではない可能性があります。

 

2022年も主にセットアッパーとして投げていた4月5月は防御率4.82と炎上しがちでしたが、レバレッジの低い場面で投げるようになった6月~8月は防御率3.54とやや持ち直してきています。特に8月は10.1イニングで防御率1.74でした。

エンゼルスファンからは「もう終わった投手」という印象になってしまったループですが、使う場面によってはまだ貢献できるかもしれません。

ただし2年契約で総額1700万ドル(22億円)は高すぎる結果になってしまいました。

 

>> 2021年オフのエンゼルスのFA、トレード、戦力外まとめ

>>【WAR】2022年エンゼルスの選手の個人成績(野手、投手)とチーム打率、チーム防御率など

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