エンゼルスのベラスケスは守備が上手く、足も速いユーティリティプレーヤー

アンドリュー・ベラスケススポーツ

※ベラスケスは右ひざ半月板損傷により2022年シーズンを終了しました。
>>【IL】エンゼルスの故障者リスト一覧。怪我人の状態やいつ復帰予定かについて

※最新のベラスケスの成績はこちらから。
>>【WAR】2022年エンゼルスの選手の個人成績(野手、投手)とチーム打率、チーム防御率など

 

2021年11月にエンゼルスは、ヤンキースから戦力外となっていたアンドリュー・ベラスケスの獲得を発表しました。(28歳)

アンドリュー・ベラスケス

引用元:ESPN

ベラスケスは2018年にメジャーデビューし、レイズ、インディアンス、オリオールズ、ヤンキースでプレーしてきました。

ベラスケスは足が速くて守備が上手く、ショートを中心に内外野を守れるユーティリティプレーヤーですが、打撃は非常に悪いです。

レギュラーとしてはもう一歩ですが、控えとしては使い勝手のいい選手だと思います。

生年月日1994/7/14
身長175cm
体重77kg
内外野右投両打
ドラフト2012年
7巡目(全体243位)
アンドリュー・ベラスケス

私服のベラスケス(引用元:Twitter @Angels

打撃はイマイチ。長打が少なく、三振率が高い

<2021メジャー成績>

試合打席本塁打打点打率出塁率長打率OPSwRC+
286816.224.235.358.59457

<2018~2021メジャー通算>

試合打席本塁打打点打率出塁率長打率OPSwRC+
9618119.184.249.276.52544

ベラスケスはメジャーでは全く打てません。

2021年までのメジャー通算打率は2割を切り、長打率も低く、ホームランは181打席で1本のみです。

マイナーでも2ケタの本塁打を打ったのは2018年の3Aでのみなので(117試合で12本)、ホームランが期待できるタイプではありません。

 

そして三振率がメジャー通算で34%と非常に高いです。(※三振の多かった2021年の大谷の三振率は29.6%)

前述のように長打が期待できるタイプではなく、またメジャー通算で7.2%と四球率も高くないのに、これだけ三振率が高いのはマズいです。

総じて打撃は悪いです。

ベラスケスはスイッチヒッターでしたが、2022年の9月からは右投手でも右打席に入ることがあり、右投手から右打席でホームランも打っています。

今後も右打席に専念するつもりだとのこと。

※追記。2022年も9月14日時点で打率.196、三振率34%とこれまでの実績通りの数字となっています。非力だと思っていましたが、最速の打球速度はメジャー平均ぐらいはあります。スラッガーのように振り回すタイプなので、空振りが多く成績的には悪いですが、たまに当たると飛ぶという意外性のあるバッターです。(ホームラン9本)

 

<左打席>

<右打席>

<逆方向へのホームラン>

<右打席で右投手からホームラン>

走力はメジャー上位。盗塁も多い

ベラスケスは俊足です。

2022年のスプリントスピードは29.2フィート/秒で、メジャー557人の中で40番目です。

また、ベラスケスは盗塁も上手いです。

2018年以降のマイナーでの盗塁成功率は85%と非常に高く(63盗塁11盗塁死)、ただ足が速いだけではなく、盗塁もできるタイプです。

2022年も9月14日時点でメジャーで17盗塁(1盗塁死)、盗塁成功率94%と素晴らしいです。

ただし、出塁率が低いので盗塁の機会自体が少ないのが残念です。

<二盗>

<ホームスチール(チャレンジでアウト)>

守備は上手く、内外野を守れるユーティリティプレーヤー

ベラスケスはショートを中心にセカンド、サード、レフト、センター、ライトでの出場経験があります。

出場イニングが少ないので、守備指標を用いての評価はすべきではないのですが、参考までにメジャー通算のDRSとUZRを記載します。

<2018~2021メジャー通算>

イニングDRSUZR
セカンド5310.5
サード27.20-0.4
ショート360.140.2
レフト1700.0
センター1910.2
ライト300.2

DRSとUZRは0を平均として、同じポジションの中でプラスならば上手い、マイナスならば下手という評価になります。

1つの打球ごとに加点(または減点)されるので、各ポジションでの出場イニングが少ないベラスケスのスコアは0付近となってしまいます。

それでも多くのポジションでプラス評価となっており、どこでもしっかり守れるタイプの選手だと思います。

※追記。2022年は9月14日時点で、メジャーのショートでDRSが2位、UZRが10位、OAA9位です。守備指標はそれぞれ乖離があるものとされていますが、どの指標でも好成績です。守備範囲が広く、ダイビングキャッチなど球際も強いです。肩も強く送球も安定しています。

<ショート>

<ショート>

<セカンド>

<セカンド>

<投手大谷を助けるベラスケス>

<糸を引くような送球>

 

>> 2022年エンゼルスの守備は下手?守備指標UZR、DRS、OAAで確認

総合評価。控え選手としてはいい補強か

走攻守を含めた選手の総合評価としてWARという指標があります。(Wikipedia

ベラスケスは2021年までメジャー通算96試合の出場でWARは0.3です。

決して良くはありませんが、控え選手として悪い数字ではありません。

特に、2021年のエンゼルスは、控え中心のユーティリティプレーヤーとして出場した選手のWARが軒並みマイナスでした。

<エンゼルスのユーティリティプレーヤーのWAR>

  • ゴセリン-0.3 (104試合)
  • ロハス-0.5 (61試合)
  • レンヒーフォ-0.5 (54試合)
  • ウォン-0.5 (32試合)

>> 2021年エンゼルスのポジション別WAR。補強ポイントはどこ?

私はエンゼルスが勝てなかった要因の1つは、野手の控え選手がレギュラーを争えるレベルの選手ではなく、マイナーレベルの選手だったことだと思っています。(=選手層の薄さ)

ベラスケスは上記エンゼルスの控えユーティリティプレーヤーと比べればやや上の選手で、調子がよければスタメン争いができそうなので、いい補強だったと思います。

基本的には守備固めや代走、レギュラー選手の休養日などにスタメン出場することが多いと予想されます。

ただ、スタメンで出るときは、長打力のなさと三振の多さのせいで、ファンからのヘイトを向けられやすいかもしれません。

※追記。2022年9月14日時点でWARは1.5です。後半戦は控えに回ることが多いですが、その割にはまずまずの数字になっています。特に5月中頃まではチーム状況が良かったこともあり、打撃が悪くても守備の上手さからベラスケスは高評価を得ていました。

しかしその後、エンゼルス打線が沈黙するようになると、ベラスケスも打撃の悪さから非難されるようになってきました。現地ファンからはDFA(戦力外)にしろという声も多くありますが、ショートでこれほど優れた守備をもつ選手の代わりが簡単に見つかるとは思えません。年俸が安く、マイナーオプションも残っていて使い勝手がいいので、2023年もバックアップ要員として残すべきだと思います。

 

>> 2021年オフのエンゼルスのFA、トレード、戦力外まとめ

>>【WAR】2022年エンゼルスの選手の個人成績(野手、投手)とチーム打率、チーム防御率など

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