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>>【WAR】2022年エンゼルスの選手の個人成績(野手、投手)とチーム打率、チーム防御率など
エンゼルスのジョー・アデル外野手は、2019年のプロスペクトランキング(若手有望ランキング)でメジャー全体の14番目にランクされた、トッププロスペクトでした。
しかしメジャー初昇格となった2020年は、38試合で打率.161、OPS.478、三振率42%というひどい結果に終わりました。
2021年、2022年もメジャーとマイナーを行ったり来たりしています。
まだ23歳と若く、これからのエンゼルスを引っ張っていく選手として期待の高いアデルの、マイナーでの成績と選手としての特徴について記載します。
アデルの経歴。アマチュア、マイナーでの成績
生年月日 | 1999/4/8 |
身長 | 190cm |
体重 | 97kg |
外野手 | 右投右打 |
ドラフト | 2017年 1巡目(全体10位) |
高校時代の成績
アデルは高校3年時に打率.562、25本塁打、61打点、22盗塁を記録し、ケンタッキー州のゲータレード年間最優秀選手賞を受賞しました。
エンゼルスからドラフト1巡目で指名を受け、高校卒業後にプロ入りしました。
アデルはドラフト注目の選手でしたが、一部のスカウトは空振りを懸念し、プロで通用するか疑問視していたようです。
マイナーでの成績
2017
<ルーキーリーグでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
31 | .288 | 4 | 21 | 5 | .894 | .351 | .542 |
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
18 | .376 | 1 | 9 | 3 | .929 | .411 | .518 |
2018
<1Aでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
25 | .326 | 6 | 29 | 4 | 1.009 | .398 | .611 |
<1A+での成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
57 | .290 | 12 | 42 | 9 | .891 | .345 | .546 |
<2Aでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
17 | .238 | 2 | 6 | 2 | .753 | .324 | .429 |
2018年はマイナーリーグの若手有望選手が集まるオールスター・フューチャーズゲームに選出されました。
2019
<1A+での成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
6 | .280 | 2 | 5 | 0 | .893 | .333 | .560 |
<2Aでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
43 | .308 | 8 | 23 | 6 | .944 | .390 | .553 |
<3Aでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
27 | .264 | 0 | 8 | 1 | .676 | .321 | .355 |
2019年は招待選手としてエンゼルスのキャンプに参加しましたが、ケガによりシーズンは1A+の負傷者リストからのスタートとなりました。
それでも2年連続で、オールスター・フューチャーズゲームに選出されました。
シーズン終了後はWBSCプレミア12のアメリカ代表に選ばれ、打率.394、OPS1.126、3本塁打、5打点を記録しました。
2020
<メジャーでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
38 | .161 | 3 | 7 | 0 | .478 | .212 | .266 |
2020年はマイナーリーグが全試合中止となりましたが、8月にメジャーデビューしました。
2021
<3Aでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
73 | .289 | 23 | 69 | 8 | .934 | .342 | .592 |
<メジャーでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
35 | .246 | 4 | 26 | 2 | .703 | .295 | .408 |
メジャー再昇格となった8月2日時点で、3Aウエストのホームランランキングでトップと1本差の2位でした。
メジャー2年目のシーズンは1年目よりは改善されたものの、打撃は期待ほどではありませんでした。
2022
<3Aでの成績(6月30日時点)>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
31 | .207 | 9 | 21 | 2 | .821 | .300 | .521 |
<メジャーでの成績(6月30日時点)>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
25 | .250 | 3 | 10 | 1 | .693 | .276 | .417 |
2022年は開幕からメジャーのスタメンとしてプレーしていたものの、あまり良い結果は残せず5月にマイナーに降格しました。
マイナー降格直後は絶好調で格の違いを見せているように思われましたが、5月後半から当たりが止まっています。
6月5日にメジャーに再昇格しましたが、マドン監督の「けが人がいなければ上げなかった」との言葉通り、6月11日に再びマイナーに降格しました。メジャーで出場したりしなかったりするより、マイナーで毎日試合に出るほうがいいという球団の方針があるようです。
再降格後も調子が上がらず、6月は3Aで打率.175、OPS.599という残念な結果でした。また、6月末時点で3Aでも三振率が34%と非常に高いです。
アデルの選手としての特徴。守備が下手。三振率が課題
アデルは高い身体能力を持った選手です。
ミート・パワー・走力・送球力・守備力を兼ね備える「5ツールプレイヤー」として期待されていますが、守備と三振率がずっと課題とされてきています。
打撃。パワーがあるが三振も多い
アデルはスイングスピードが速く、長打が期待できる選手です。
2021年の3Aでは本塁打率が13.5と非常に高いです。(13.5打席に1本ホームランを打っているという意味)
一方で、2020年はメジャーで42%というあまりにも高すぎる三振率を記録したように、三振の多さが課題です。
2022年も6月末時点でのメジャーでの三振率は34.5%と高いままで、安定した打撃にはなりにくいです。
<2階席へのホームラン>
Jo Adell said hello to the 2nd deck. 😳 pic.twitter.com/yPO1qqniy4
— MLB (@MLB) April 16, 2022
<逆方向へのホームラン>
IM OUT ON JO ADELL!!!!
pic.twitter.com/DMEEWvB979— Soto ⚾️ (@SotoP_23) April 24, 2022
走力。メジャートップクラスの俊足
アデルの2022年のスプリント・スピードは6月末時点で29.9ft/秒で、メジャー469人中で6位でした。
アデルはメジャーでトップクラスの走力を持ち、足の速さだけでみれば大谷やトラウトよりも速いのですが、盗塁はそこまで多いタイプではありません。
また、走塁も上手いとは言えず、あまり足の速さをいかすことができていません。
<フェンス直撃ヒットで2塁からホームに帰れず>
I think Joe Adell thought Tyler Wade hit a HR but man this is rough base running pic.twitter.com/HM0HOOhwqs
— Jared Tims (@Jared_Tims) June 10, 2022
守備力。下手だがたまに好プレーをみせる
2020年のメジャーでのアデルの守備をUZRという守備指標で確認すると、ライトで-3.5でした。
送球力を示すARMが-1.2、守備範囲を示すRngRが-1.0、エラーを示すErrRが-1.3とどれをとってもひどいです。
1シーズンあたりに換算したUZR/150では-15.9ですが、これは平均的なライトの守備の選手と比較して、守備のせいで1シーズン15.9点多く失点するという意味です。
2020年はホームランアシストを2回も記録するなど、守備の下手さはファンの間でも有名です。
<アデルのホームランアシスト>
Oh no…
New Angels RF Jo Adell had a ball bounce off of his glove and went over the fence for a home run.
(via @FOXSportsSW) pic.twitter.com/lGcyyGQKXa
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) August 9, 2020
ただ、前述したように足は速く、高校時代はピッチャーもやっていたので肩もそれなりに強いです。
ポテンシャルはあり、たまにとんでもない好プレーをみせることもあるので、守備は改善する可能性があります。
<ダイビングキャッチ>
WHAT. A. CATCH. 😲
Jo Adell robs Tatis Jr.!
(via @mlb)pic.twitter.com/TabEOD5Cq8
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) September 3, 2020
2021年のアデルの守備は外野手として302イニングのプレーでUZRは-0.1と、平均的な守備力にまで改善しました。印象的なダイビングキャッチも見せてくれました。
<ダイビングキャッチ>
しかし、2022年は開幕戦からエラーは記録されないマズいプレーがいくつかありました。オープン戦の時から「どこを追いかけてるんだ」というような場面が見られ、打球判断が以前にも増して悪化しているように感じます。
<アウトにできそうな打球をヒットにし、そのあとファンブルでエラーも記録>
Just looked it up. Statcast has a 90 percent catch probability for Jo Adell on this one. (The means that given the time he had and distance he had to cover, this should be caught 90 percent of the time.) pic.twitter.com/eQHWtkjqqM
— Jeff Fletcher (@JeffFletcherOCR) May 2, 2022
<エラーではないがひどい送球>
What an absolute cannon arm this Jo Adell kid has pic.twitter.com/Yaf8MDqnrr
— MLB Errors (@mlberrors) April 8, 2022
<ホームランキャッチ>
Jo Adell brings this one back! pic.twitter.com/cRTr5jjZLH
— MLB (@MLB) September 5, 2020
Jo Adell makes a TOUGH catch at the wall! pic.twitter.com/RjO1GGRbn9
— MLB (@MLB) April 10, 2022
評価(スカウティング・グレード)
最後に、プロスペクトランキングでメジャー全体の14位だった2019年時点での、MLBのスカウティング・グレードによる5ツール評価です。
この時点では守備もそろった5ツールプレイヤーという評価でした。
ミート | パワー | 走力 | 送球 | 守備 | 総合 |
55 | 60 | 65 | 60 | 60 | 65 |
スコアは20~80。50が平均で、60が平均以上。
総合が65以上だと、将来的にオールスター級の傑出した選手になりうるとされている。
トッププロスペクトとして大きな期待を背負うアデル。
まだ結果は出ていませんが、華があるタイプなので今後の活躍を楽しみにしたいです。
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