※マーシュは2022年8月2日にローガン・オホッピーとのトレードでフィリーズに移籍しました。
※フィリーズに移籍してすぐに打撃フォームが変わり三振が減ったと一部で話題となり、その後さらにフォームが変わりました。そのおかげかフィリーズではエンゼルス時代よりも良い打撃成績となっています。それでもまだ三振率は高いです。
- エンゼルス:打率.226、8本、OPS.637、三振率36.2%(323打席)
- フィリーズ:打率.288、3本、OPS.774、三振率29.7%(138打席)
Brandon Marsh has been a reborn hitter in Philly! Not as big of a move & more in his posterior has clicked for him.
Higher expected OPS, higher line drive percentages, and more batted balls with an exit velocity of 90mph or higher. pic.twitter.com/KVlJzWpPCj
— Teegs (@TeeganLeader) September 16, 2022
<ポストシーズンで3ラン>
THIS IS MARSH!!!!!!!!! #Postseason pic.twitter.com/xOitZ3UPts
— MLB (@MLB) October 15, 2022
<ワールドシリーズでホームラン>
MARSH MADNESS pic.twitter.com/RILvNNJh9D
— Philadelphia Phillies (@Phillies) November 2, 2022
※エンゼルスのマーシュの成績はこちらから。
>>【WAR】2022年エンゼルスの選手の個人成績(野手、投手)とチーム打率、チーム防御率など
以下はエンゼルス時代のマーシュの紹介記事です。
エンゼルスのブランドン・マーシュ外野手は、2021年7月18日にメジャーデビューしました。
長髪とヒゲがワイルドですが、まだ24歳の若手選手です。(2022年時点)
2021年7月21日時点で、マーシュはMLBのプロスペクト・ランキング(若手有望ランキング)で全体で38位、エンゼルスでは1位の評価を受けた選手です。
本記事では、マーシュの経歴と選手としての特徴、また、陸上選手である妹のエリン・マーシュとマーシュの両親について紹介します。
マーシュの経歴。アマチュア、マイナーでの成績
生年月日 | 1997/12/18 |
身長 | 193cm |
体重 | 97kg |
外野手 | 右投左打 |
ドラフト | 2016年 2巡目(全体60位) |
高校時代の成績。髭なし写真
<高校3年時>
打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS |
.559 | 4 | 25 | 19 | 1.545 |
マーシュはアメフトでもワイドレシーバーとして活躍し、ブフォード高校のジョージア州タイトル獲得に貢献しました。
高校卒業後、ケネソー州立大学へ進学予定でしたが、ドラフト2巡目でエンゼルスから指名を受け、107万ドル(1億4000万円)で契約しました。
マイナーでの成績
2016年
ドラフトで指名を受けた2016年は、検査で背中に問題がみつかり、シーズンでは試合の出場がありませんでした。
冬季のドミニカ・リーグでようやく試合に出場することができました。
2017年
<ルーキーリーグでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
39 | .350 | 4 | 44 | 10 | .944 | .396 | .548 |
2018年
<1Aでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
34 | .295 | 3 | 24 | 4 | .859 | .390 | .470 |
<1A+での成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
93 | .256 | 7 | 46 | 10 | .734 | .348 | .385 |
2019年
この年は、足首のねんざで1か月ほど試合に出ることができませんでした。
<ルーキーリーグでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
5 | .050 | 0 | 2 | 1 | .100 | .050 | .050 |
<2Aでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
96 | .300 | 7 | 43 | 18 | .811 | .383 | .428 |
2020年
2020年はマイナーリーグが全試合中止となりました。
代替キャンプでは、約100打席で7本塁打を記録するなど、パワーを発揮する一方で、四球率20%という高い選球眼も見せました。
2021年
<ルーキーリーグでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
4 | .500 | 1 | 7 | 0 | 1.540 | .611 | .929 |
<3Aでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
24 | .255 | 3 | 8 | 2 | .832 | .364 | .468 |
<メジャーでの成績>
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
70 | .254 | 2 | 19 | 6 | .673 | .317 | .356 |
マーシュは入団した年の背中のケガを除けば、大きなケガもなく順調にステップアップしてきました。
2017年1巡目指名のアデルとともに、マーシュには早い段階からメジャーでの活躍を期待する声があがっていました。
※ちなみにマーシュはアデルとは非常に仲が良く、2022年5月にアデルがマイナーに降格したときには、ベルトにアデルの背番号7を入れていました。
マーシュの選手としての特徴。5ツールプレイヤーで守備・走塁が良いが三振が多い
マーシュは、高校時代にアメフトでも活躍するなど、その高い身体能力をいかしたプレーが特徴です。
ミート・パワー・走力・送球力・守備力を兼ね備える「5ツールプレイヤー」として評価されています。
打撃
マーシュはそのパワーとスイングスピードの速さで、強い打球を打つことができ、長打力があります。2021年のメジャーでの平均打球速度は92.1マイルで、メジャー上位14%でした。
その一方、マイナーでは10%以上の四球率を記録するなど、選球眼も良く、高い出塁率を誇る選手でした。しかし、メジャーでの四球率は2021年が7.7%、2022年が8月1日時点で6.8%とメジャー平均を下回っています。
また、2022年は8月1日時点で三振率が36.2%と非常に高く、規定打席数に到達した選手の中ではリーグワーストです。
リーグ平均と比べて、ボール球に手を出す傾向があり、ストライクゾーンのボールの見逃し率と空振り率が高めなので、三振率が高いのも納得の内容です。
三振が多くて四球率も低いので、当たっている時は良いのですが、打撃は安定感を欠いています。
また、マーシュは左投手が苦手です。
8月1日時点での左右投手別の成績は、
- 対左打率.192、長打率.274、OPS.515
- 対右打率.237、長打率.379、OPS.678
となっており、左投手相手には長打があまり出ません。
2021年も対左投手には20本のヒットのうち長打は1本しかありませんでした。
<右投手相手には長打力あり>
Brandon Marsh go-ahead bomb to dead center! pic.twitter.com/dcjud6rspc
— Talkin’ Baseball (@TalkinBaseball_) April 24, 2022
<飛距離137mのホームラン>
Brandon Marsh HR (5). His first since May 7.
449 feet. This is the 2nd longest HR of the season for the Angels (Trout 472).
The #Angels are down 3-2 in the 2nd. pic.twitter.com/xm3Xli8RNi
— Jeff Fletcher (@JeffFletcherOCR) June 11, 2022
走力
マーシュは俊足です。
高校時代、アメフトではワイドレシーバーという最も足の速さが求められるポジションを担っていました。
2022年8月1日時点でスプリント・スピードは29.0フィート/秒で、メジャー503人中48位です。
俊足が多いエンゼルスの中でもアデル、トラウトに次ぐ速さです。
また2022年8月1日時点でメジャー通算の盗塁数は14、盗塁死は3、盗塁成功率は82%と高いです。
その走力は、盗塁・走塁だけでなく、守備範囲の広さにも貢献しています。
守備力
マーシュは守備が上手いです。
守備範囲が広く、外野はライト、センター、レフトどこでも問題なくプレーできます。
センターを守っていた2021年の守備力の指標UZR/150は1.8です。(メジャー出場568イニング)
これは守備の上手い外野手が集まるセンターの中で平均的という評価であり、トラウトを少し上回る数字でした。(トラウトのUZR/150は-1.2)
肩の強さを示すARMが-1.0、守備範囲を示すRngRが1.5、エラーに関連するErrRが0.3だったので、メジャーレベルでも守備範囲が広いほうである一方、送球力はやや劣っていたということになります。
<センター>
Brandon Marsh flashing the leather!!! 😮#WeBelieve | @Angels pic.twitter.com/RNyjv5GI8e
— Bally Sports West (@BallySportWest) August 8, 2021
2022年はトラウトがセンターを守りたいということで、マーシュはほとんどの試合でレフトを守っています。
守備指標は乖離があるものとして知られていますが、7月27日時点でマーシュはメジャーのレフトでUZRが2位、DRSが1位、OAAが1位となっており、それぞれ乖離の多い守備指標ですがどの指標でもメジャー上位となっています。
トラウトが欠場しているときは守備の上手いマーシュがセンターを守るべきですが、ネビン監督代行はレフト・マーシュ、センター・ウォードという謎采配をとることがあります。
<投手・大谷を助けるマーシュ>
Marshy with the snag!! Ohtani loving it@Angels | #GoHalos pic.twitter.com/L7zjksIjBn
— Bally Sports West (@BallySportWest) May 27, 2022
This Brandon Marsh catch helped Shohei Ohtani get through an 11-pitch fifth inning. He’s at 83 pitches after five scoreless innings.
It’s 2-0. pic.twitter.com/9q4qPGjSCS
— Jeff Fletcher (@JeffFletcherOCR) June 17, 2022
<フライでは球際の強さを見せるがゴロは苦手か>
Some deja vu here. Similar happenings at this left field corner. Tripped up Jo Adell and now Brandon Marsh. https://t.co/KrUeyFxTyU pic.twitter.com/tJ13o4YZ7n
— Sarah Valenzuela (@Sarah_IsabelVee) July 31, 2022
>> 2022年エンゼルスの守備は下手?守備指標UZR、DRS、OAAで確認
評価(スカウティング・グレード)
2021年のMLBのスカウティング・グレードによる5ツール評価。
ミート | パワー | 走力 | 送球 | 守備 | 総合 |
60 | 50 | 60 | 60 | 60 | 55 |
スコアは20~80。50が平均で、60が平均以上。
総合が65以上だと、将来的にオールスター級の傑出した選手になりうるとされている。
マーシュは2022年6月に打撃が絶不調になりましたが、7月半ばぐらいから少しずつ状態が上がってきています。
- 4月 打率.286、OPS.800
- 5月 打率.270、OPS.673
- 6月 打率.157、OPS.482
- 7月 打率.203、OPS.641
守備は相変わらず素晴らしいものを見せていますし、また、マーシュは他の選手と積極的にコミュニケーションを取っている姿が見られるので、ムードメーカー的なところでもチームに貢献しているかもしれません。
This is elite content from Brandon Marsh pic.twitter.com/JpfUtJnTJo
— Brent Maguire (@bmags94) May 8, 2022
マーシュの妹エリン・マーシュは陸上で全米10位
マーシュのメジャーデビュー戦で試合中にインタビューを受けるキレイな女性。
José Mota catches up with Erin and Sonja Marsh on the emotional debut of @brandon_marsh22 😇#WeBelieve I @Angels I @ErinnMarshh I @JoseMota05 pic.twitter.com/5gm0AcJW25
— Bally Sports West (@BallySportWest) July 18, 2021
こちらはマーシュの妹のエリンと母親のソニアです。
エリン・マーシュのプロフィール
エリン・マーシュは1999年7月12日生まれの22歳、デューク大学の4年生です。(2022年7月1日時点)
身長177㎝でスタイル抜群ですが、大学では陸上の七種競技で活躍していました。
エリン・マーシュの七種競技の成績
エリン・マーシュは、東京オリンピックの七種競技のアメリカ選考会で10位に入りました。
自己ベストの5946点は、日本ならば歴代3位に入るほどの記録であり、エリン・マーシュはトップアスリートです。(2022年7月1日時点)
100H | 13.29 | 走幅跳 | 6m04 |
走高跳 | 1m75 | やり投 | 34m68 |
砲丸投 | 12m68 | 800m | 2:17.99 |
200m | 24.17 | 総合 | 5946 |
七種競技は「走・投・跳」の全てを兼ね備えることから、七種競技の優勝者は「クイーン・オブ・アスリート」と呼ばれます。
兄マーシュの高い身体能力も、血筋によるものと言えそうです。
<ソープカップ米国代表に選出される>
7 events. 2 days. Erin Marsh closes her career after completely rewriting the Duke record books, on the podium 🥉 pic.twitter.com/3gOy3MfpFw
— Duke Track & Field and Cross Country (@DukeTFXC) June 20, 2022
マーシュの父と母
マーシュの父ジェイク・マーシュは、2021年4月にガンで亡くなりました。
ジェイクは謙虚で人望があり、尊敬される人物だったそうですが、それはマーシュにも引き継がれています。
高校の最終試合の後、プロ入りが確実視されていたマーシュのもとに、他チームの選手や父兄が写真撮影やサインを求めて寄ってきましたが、マーシュは1時間にわたってあらゆる要求に対応したそうです。
他人が何を求めているかを理解し、謙虚に丁寧に対応するというマーシュ家族の特徴を象徴するエピソードです。
マーシュのプロキャリアの大半を闘病生活の中で過ごしてきた父ジェイクは、マーシュのメジャーデビューをずっと夢見てきましたが、メジャーデビューの3か月前に亡くなりました。
マーシュのメジャーデビューの知らせを休暇先で聞いた母ソニアは、家に帰って準備することもできずにそのままアナハイムに向かいましたが、父ジェイクの遺灰の入った骨壺はしっかり持っていきました。
母ソニアはメジャーデビューの試合後に、クラブハウス近くでマーシュと妹エリンが父ジェイクの遺灰を手に抱き合った時ほど忘れられない瞬間はないと語っています。
そんな母ソニアは日本のマスコミのインタビューを受け、マーシュへの大谷のサポートについても話していました。
Japanese media met Brandon Marsh’s mom
“Ohtani sort of taken him under,helped him understand,pitching the strategy behind that,he just really looks up to Shohei
Kindred spirits & mentoring Brandon good positive influence,enjoy playing the game & all the rest will come together” pic.twitter.com/nRND9fTKWO
— 大谷翔平 ⚾ Ohtani Shohei ❶❼ (@shoheisaveus) October 10, 2021
コメント