2022年12月にエンゼルスはロッキーズをFAとなっていたカルロス・エステベスの獲得を発表しました。(2022年12月に30歳)
2年1350万ドル(18.9億円)での契約となります。
エステベスはリリーフとして毎年のように年間60試合ぐらいに登板している選手です。
ストレートの平均球速は97.5マイル(156.9キロ)で、今のエンゼルスのブルペンではめずらしいパワーピッチャータイプの投手です。
エステベスの経歴とメジャーでの成績
生年月日 | 1992/12/28 |
身長 | 198cm |
体重 | 125kg |
投手 | 右投右打 |
ドラフト | 2011年 国際FA |
メジャー成績
年 | 登板 | 回 | HLD | SV | 防御率 | WHIP | K/9 | BB/9 |
2016 | 63 | 55 | 11 | 11 | 5.24 | 1.42 | 9.7 | 4.6 |
2017 | 35 | 32.1 | 7 | 0 | 5.57 | 1.64 | 8.6 | 3.9 |
2019 | 71 | 72 | 11 | 0 | 3.75 | 1.29 | 10.1 | 2.9 |
2020 | 26 | 24 | 6 | 1 | 7.50 | 1.75 | 10.1 | 3.4 |
2021 | 64 | 61.2 | 15 | 11 | 4.38 | 1.49 | 8.8 | 3.1 |
2022 | 67 | 57 | 13 | 2 | 3.47 | 1.18 | 8.5 | 3.6 |
HLD=ホールド、SV=セーブ、K/9=奪三振率、BB/9=与四球率
ドミニカ出身のエステベスは、2011年に国際FAでロッキーズと契約しました。
ロッキーズのマイナー組織の中で最も速い球を投げる投手の一人として頭角を現し、2016年にメジャーデビューしました。
デビュー年から63登板をこなしましたが、飛躍したのは2019年以降です。
ロッキーズの本拠地は標高が高くボールが飛びやすく、投手に不利な球場として知られていますが、エステベスは2019年以降は防御率3点台~4点台前半にまとめており、球場補正を入れた防御率はメジャー平均よりも良いです。(短縮シーズンの2020年は除く)
エステベスは目立った成績を残しているわけではありませんが、2021年、2022年は基本的には勝ちパターンで出てくる投手として、年間60試合以上投げています。
エステベスの選手としての特徴
球種
<2022年の平均球速>
マイル | キロ | |
ストレート | 97.5 | 156.9 |
スライダー | 87.3 | 140.5 |
チェンジアップ | 88.4 | 142.3 |
エステベスは平均球速97.5マイル(156.9キロ)のストレートを198cmの長身から投げ下ろすパワーピッチャーです。
ストレートが全体の7割を占めます。
ただし空振りが取れるわけではなく、右打者に投げるスライダーと左打者に投げるチェンジアップも同様に空振り率はそれほど高くなく、またボール球を振らせることもできません。
そのため速球派のリリーフピッチャーとしては奪三振率が低めです。(だいたいメジャー平均ぐらい)
コントロールはわりと良い方でしたが、2022年は与四球率3.63とやや悪くなってしまいました。
エステベスは2022年にキャリアハイとなる防御率3.47、WHIP1.18を記録していますが、2022年は空振り率が下がり、与四球率も悪化しています。
なぜ成績が向上したのかデータからはっきりとはわかりませんが、どちらかと言えばフライを打たせるタイプなので、打低シーズンの要因となった「飛ばないボール」と相性が良かったのかもしれません。
また、エステベスは抑えとして登板することもあり、メジャー通算で25セーブをあげていますが、セーブ成功率は53%と低いです
<101マイル(162.5キロ)のストレート>
It will be nice when Carlos Estevez gets these calls haha #Angels pic.twitter.com/WrJMnnWV1j
— Eric (@ericserics) December 5, 2022
<スライダー(左)とチェンジアップ(右)>
Carlos Estevez has a FB that can touch triple digits plus two serviceable offspeed pitches
Left: slider
Right: splitter#Angels pic.twitter.com/v2M1l76Bjx— Jared Tims (@Jared_Tims) December 5, 2022
まとめ
エステベスは経験豊富なパワーピッチャータイプのリリーフです。
リリーフの補強が不可欠であったエンゼルスは特にリリーフ陣に速球派が少ないので、エステベスはピッタリの選手だったかもしれません。
正直に言うと「普通の中継ぎ」という印象なので、2年1350万ドル(18.9億円)という年俸はやや高い気がしますが、2022年がキャリアハイで2023年が30歳のシーズンと脂が乗っている選手なので妥当なのかもしれません。
2022年の被BABIPが.247と極端に低いので、運で抑えていた可能性が高いのが気がかりですが、エステベスは守護神候補の一人でもあると思われるので、エンゼルスでも2022年のような成績を残せるように頑張ってほしいです。
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