ステファニックの2023年のマイナーでの成績はこちら
>>【3A、2A】2023年のエンゼルス傘下のマイナーの選手の個人成績(野手、投手)
エンゼルスのマイケル・ステファニックは2022年7月時点でエンゼルスのプロスペクトランキング(若手有望ランキング)で24位に入っていた26歳の選手です。(2023年2月に27歳)
期待されていそうに見えますが、2021年に3Aでトップクラスの打撃成績を残しながらもメジャーに昇格できず、オフにはルール5ドラフトの対象選手でありながら、球団からは守ってもらえないという扱いを受けました。
(結局、2021年は労使交渉のもつれでルール5ドラフトは開催されませんでした。)
入団もドラフト外から契約金なしでの入団であり、なかなか苦労の多いステファニックですが、2022年7月3日にようやくメジャー初昇格となりました。
ステファニックの経歴。マイナーでの成績
生年月日 | 1996/2/24 |
身長 | 178cm |
体重 | 81kg |
セカンド | 右投右打 |
ドラフト | 2018年 ドラフト外 |
大学通算で打率.383を記録するなど、いくつかのウェストモント大学記録を更新したステファニックは、3年生のときにも4年生のときにも複数の球団から接触があったようですが、結局ドラフトでは指名されませんでした。
失意の中、ステファニックは故郷に戻ることを決め、その前に当時の彼女に会いにいきました。
そこでパドレスの関係者であった彼女の叔父にすすめられ、履歴書とビデオをメジャー全30球団の関係者200人以上に送ったところ、エンゼルスと契約することができました。
一度はエンゼルスからも断られており、野球人生をあきらめて弁護士秘書の求人面接を終えたところでの契約の電話だったようです。
マイナーでの成績
2018
<ルーキーリーグでの成績>
試合 | 打率 | 本 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
14 | .351 | 0 | 5 | 0 | .834 | .429 | .405 |
2019
<1Aと1A+での成績>
試合 | 打率 | 本 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
102 | .282 | 3 | 47 | 9 | .722 | .358 | .364 |
2020
2020年はコロナにより、マイナーリーグが全試合中止。
2021
<2Aと3Aでの成績>
試合 | 打率 | 本 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
125 | .336 | 17 | 63 | 6 | .901 | .408 | .493 |
2022
<3Aでの成績>
試合 | 打率 | 本 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
81 | .310 | 4 | 38 | 4 | .834 | .417 | .417 |
<メジャーでの成績>
試合 | 打率 | 本 | 打点 | 盗塁 | OPS | 出塁率 | 長打率 |
25 | .197 | 0 | 0 | 0 | .509 | .279 | .230 |
2023
2023年のマイナーでの成績はこちら
>>【3A、2A】2023年のエンゼルス傘下のマイナーの選手の個人成績(野手、投手)
メジャーでの成績はこちら
>>【メジャー】2023年エンゼルスの選手の個人成績(野手、投手)
ステファニックはマイナーではどのレベルでも高い打率を残しています。
2021年には長打力も向上し、3Aウエストで打率2位、OPS6位の成績を残しました。
2021年後半のエンゼルスは新人が続々とメジャーデビューする状況で、また、フレッチャーが極度の打撃不振に陥っていたため、ステファニックもメジャー昇格するものだと思われていましたが、そうはなりませんでした。
そして前述したようにルール5ドラフト対象であったため、オフにメジャー契約を結ぶものと見られていましたが、実際にメジャーの40人枠に入ったのはステファニックではなくブレンドン・デービスでした。(デービスもその後DFAとなりタイガースが獲得)
2022年もオープン戦14試合で打率.385、OPS1.106の活躍を見せながらメジャー入りはならず、6月にレンドンが離脱し昇格のチャンスがあったときには、ステファニックもちょうど負傷者リストに入っているなど、なかなか報われない選手でした。
2022年7月にようやくメジャーに初昇格しましたが、28打席連続無安打を記録するなど打撃で苦しみました。
2022年オフにエンゼルスは野手を大きく補強したこともあって、2023年はマイナーで開幕を迎えることになっています。
2023年5月16日に3Aで球団新記録となる44試合連続出塁(前年の9月から継続)を達成するなど、打撃好調です。
6月16日にウルシェラの負傷者リスト入りに伴い、メジャーに昇格しました。
<3Aで44試合連続出塁の球団新記録>
.@mjstefi reaches the base for the 44th consecutive game, 🚨BREAKING THE FRANCHISE RECORD!🚨 pic.twitter.com/UfN2rSAxLj
— Salt Lake Bees (@SaltLakeBees) May 17, 2023
6月9日には連続試合出塁を62まで伸ばしましたが、10日の試合で4打席0出塁に終わり、2022年9月2日から継続していた連続出塁記録は途絶えました。
ただ、この記録は3Aの試合に限ったもので、この記録の継続期間に含まれる2022年9月14日から10月5日までステファニックはメジャーに昇格していましたが、メジャーで出場した試合には出塁できなかった試合もあります。
それでも2023年開幕から3Aでは文字通りの53試合連続出塁をしており、素晴らしい記録です。(マイナーの連続出塁記録は2014年に1Aでアンドリュー・ベラスケスが記録した74試合)
<前年から3Aで62試合連続出塁、開幕から53試合連続出塁>
Did Michael Stefanic reach base today?
YES
The @Angels second baseman walks in the first to extend his on-base streak to 62 games — a stretch that began last year — for the @SaltLakeBees. pic.twitter.com/fGnkOr7T2C
— Minor League Baseball (@MiLB) June 9, 2023
ステファニックの選手としての特徴。コンタクト力があり打率が高いが守備は下手
打撃
ステファニックは大学・プロを通してずっと打率が高いです。
コンタクト力が高く、三振率はマイナー通算で11.0%と非常に低いです。
その一方で、長打力には乏しく、2021年に打高の3Aでホームラン16本を記録したものの、2022年は安打の多くがシングルヒットとなっています。
2021年のホームランの大半が引っ張り方向であり、逆方向へ大きな当たりをたくさん打つタイプではないと思いますが、ヒット自体は逆方向にも打てます。
ステファニックには早打ちの傾向がありますが、四球率はマイナー通算で9.8%と悪くありません。
2022年のメジャーでは69打席で打率.197と、持ち味の打率の高さを見せることはできませんでした。
Stefanic gives the Bees the lead with his 3rd home run of the series pic.twitter.com/zQU6oW1rrl
— Salt Lake Bees (@SaltLakeBees) August 11, 2021
Stefanic strikes again pic.twitter.com/NK12wzgbR4
— Salt Lake Bees (@SaltLakeBees) September 17, 2021
Pssssst… Michael Stefanic is 4-for-4 today pic.twitter.com/6Lz5X9y3YU
— Salt Lake Bees (@SaltLakeBees) April 9, 2022
走力
ステファニックの足は遅いです。
2022年のスプリント・スピードは26.4フィート/秒で、メジャー574人中423位となっています。
エンゼルスではウォルシュやレンドンと同じくらいの足の速さです。
マイナー通算で19盗塁(13盗塁死)で、盗塁成功率は59%と低いです。
守備
ステファニックの守備は下手です。
マイナーではセカンドを中心にショートやサードでの守備機会が多いですが、肩も弱く、どのポジションでも守備は平均以下とされています。
この守備の下手さにより、メジャー昇格が見送られてきました。
ただ、個人的には2022年のオープン戦を見た限りでは、そこまで下手という印象はありませんでした。
一応ずっとセカンドやショートといった要のポジションを守っています。本当にどうしようもなく下手な場合は、外野に回されると思います。
2022年時点ではメジャーでプレー機会がまだ少ないですが、守備指標はプラスになっていました。
>> 2022年エンゼルスの守備は下手?守備指標UZR、DRS、OAAで確認
<セカンド・ステファニック>
Michael Stefanic starts a nice double play at 2B to get Austin Warren out of a scoreless inning in his rehab appearance for AAA Salt Lake: pic.twitter.com/Xi4DXNmgSS
— Angels MiLB (@AngelsMiLB) June 29, 2022
<セカンド・ステファニック>
Diaz to Stefanic to Wallach🔥🔥 pic.twitter.com/eM2xKLkZ6M
— Salt Lake Bees (@SaltLakeBees) April 8, 2022
<セカンド・ステファニック>
Stefanic + MacKinnon💪 pic.twitter.com/xs2p0S6H3L
— Salt Lake Bees (@SaltLakeBees) May 29, 2022
<メジャーでの好守>
Small sample size and all, but Michael Stefanic’s defense has been better than expected so far. Also, he’s in an 0-for-21 slump at the plate. pic.twitter.com/bwV0rt5pvZ
— Jeff Fletcher (@JeffFletcherOCR) July 27, 2022
>> 2022年エンゼルスの守備は下手?守備指標UZR、DRS、OAAで確認
まとめ
<2022年時点でのMLBのスカウティング・グレードによる評価>
ミート | パワー | 走力 | 送球 | 守備 | 総合 |
60 | 45 | 35 | 40 | 40 | 40 |
(スコアは20~80。50が平均で、60が平均以上。総合が65以上だと、将来的にオールスター級の傑出した選手になりうるとされている。)
ステファニックは打撃が良いバッターです。
しかし守備面では不安があり、球団からの評価は低いように感じます。
一方で、2021年の3Aでの大活躍により、現地ファンからは人気があり、ステファニックを早く昇格させろという声も日増しに大きくなっていました。
個人的には球団からの評価は低すぎ、ファンからの評価は高すぎるように思います。
一部の現地ファンは「守備の下手なフレッチャー」という評価をしており、私もこの評価が的確のように感じます。
バックアップ要員としては良いですが、メジャーでレギュラーとしてやっていけるかは微妙です。
2022年はメジャーで打率.197と打撃に苦しむ一方で、守備指標はプラスとなっており、マイナーのころの評価とは逆になっています。
ただし、試合でも5回ぐらいで早々に守備固めを送られていることからもわかるように、ステファニックの守備は評価されていません。
ステファニックに求められていたのは打撃力だったはずであり、打撃で結果が残せなければメジャーに残るのは厳しいと思います。
そして2022年オフにエンゼルスは野手を大きく補強したことから、内野手が余剰気味になっており、ステファニックは戦力外候補の1人になっています。
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