2022年エンゼルスの中継ぎが再び炎上している件。悪いのは何か? | のびたのセミリタイア

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2022年エンゼルスの中継ぎが再び炎上している件。悪いのは何か?

炎上 スポーツ

2022年5月30日時点でエンゼルスは5連敗中です。

エンゼルスは5月15日まで24勝13敗で地区首位争いをしていたものの、5月16日からの12試合で3勝9敗と失速してしまいました。

5月16日以降、投手陣の調子が悪いです。

特に中継ぎは出てくるピッチャーが次々に炎上し、2021年に「ナイトメア」と呼ばれたその光景を思い出してしまいます。

>> エンゼルスの中継ぎ投手陣がナイトメアと呼ばれる元ネタ

エンゼルスの個人、チーム防御率の変化

5月15日まではエンゼルスの投手陣は好調で、チーム防御率は3.17でメジャー30球団中4位でしたが、5月16日以降はチーム防御率が5.26でメジャー25位となってしましました。

被打率も悪化しており、試合を見ていても打ち崩されているような印象を受けます。

チーム

<5/15まで>

被打率 防御率 被打率
順位
防御率
順位
全体 .204 3.17 1位 4位
先発 .202 2.97 2位 4位
リリーフ .208 3.45 5位 12位

<5/16~5/30>

被打率 防御率 被打率
順位
防御率
順位
全体 .257 5.26 18位 25位
先発 .241 4.94 10位 21位
リリーフ .278 5.73 25位 27位

個人

先発

<5/15まで>

試合 被打率 防御率
大谷翔平 6 32.1 .195 2.78
デトマーズ 6 31 .165 3.77
サンドバル 6 33 .211 1.91
シンダーガード 5 29.1 .223 2.45
ロレンゼン 6 35.1 .220 3.57
シルセス 1 6 .056 0.00
スアレス 4 17 .275 6.35
ディアス 2 9.2 .129 0.00
ハーゲット 1 3 .100 3.00

<5/16~5/30>

試合 被打率 防御率
大谷翔平 2 12 .261 5.25
デトマーズ 2 9.2 .222 7.45
サンドバル 2 10.1 .220 5.23
シンダーガード 2 8.2 .235 5.19
ロレンゼン 2 12.2 .182 2.13
シルセス 2 8.2 .333 5.19

リリーフ

<5/15まで>

試合 被打率 防御率
ループ 16 15.2 .123 1.72
テペラ 16 17.1 .123 2.08
イグレシアス 15 13.1 .170 4.05
ハーゲット 13 16 .277 3.38
マイヤーズ 12 11.2 .227 4.63
オルテガ 12 18.1 .194 1.96
ブラッドリー 8 8.2 .242 7.27
ウォーレン 7 8.1 .250 4.32
試合 被打率 防御率
バリア 5 13.2 .196 1.98
ウォンツ 3 3 .273 6.00
ベアクロー 3 4 .200 0.00
ペグエロ 2 1.1 .429 20.25
モラン 1 0.1 .750 54.00
キハダ 1 0.1 .000 0.00
ローゼンバーグ 1 1 .400 9.00

<5/16~5/30>

試合 被打率 防御率
ループ 5 3 .526 21.00
テペラ 5 3.1 .357 16.20
イグレシアス 5 3.2 .267 2.45
ハーゲット 3 6 .053 1.50
マイヤーズ 3 5 .333 7.20
オルテガ 4 3.2 .333 7.36
ブラッドリー 2 1.1 .333 0.00
試合 被打率 防御率
バリア 3 9.2 .121 0.93
ベアクロー 5 5 .222 5.40
キハダ 1 0.2 .500 13.50
バルデス 1 1 .400 9.00
ジャンク 1 1 .250 0.00
スアレス 1 0.2 .500 0.00

中継ぎが炎上しているのは運が悪いだけ?

防御率も被打率も悪化してるのだから打たれてる中継ぎが悪い、というのは結果的な話であって、必ずしも中継ぎが「悪い」とは言えない可能性があります。

統計的には本塁打以外の打球が安打となるかどうかは、運の要素が大きいと考えられています。

この考えに基づき、「本塁打、与四球、奪三振」から投手を評価するFIPという指標があります。

セイバーメトリクス界隈では、防御率よりもFIPのほうが投手単体を評価するのに適していると考えられ、大手データ分析会社のFangraphsではFIPを基本として投手の総合指標WARの計算を行っています。

そのFIPで見ると、中継ぎに関しては調子が良かったように見えた5月15日までと、調子が悪くなった5月16日以降ではほとんど変化していません。

むしろ若干良くなっています。

<5/15まで>

防御率 FIP 防御率
順位
FIP
順位
全体 3.17 3.83 4 13
先発 2.97 3.61 4 10
リリーフ 3.45 4.16 12 24

<5/16~5/30>

防御率 FIP 防御率
順位
FIP
順位
全体 5.26 4.26 25 21
先発 4.94 4.40 21 20
リリーフ 5.73 4.07 27 18

 

防御率の変化とFIPの変化が大きく乖離していることから、5月16日以降、中継ぎが炎上しているのは投手の調子が悪くなったからではなく、運が悪くなっただけの可能性があります。

本塁打以外の打球がヒットになるかどうかをインプレー打率(BABIP)といいますが、投手の被BABIPは長期間で見ると.300ぐらいに落ち着きます。

したがってBABIPは短期的な運を表す指標としても利用されますが、エンゼルスの投手陣の被BABIPが大きく変化しています。

<5/15まで>

被BABIP 防御率 被BABIP
順位
防御率
順位
全体 .239 3.17 1 4
先発 .243 2.97 2 4
リリーフ .233 3.45 2 12

<5/16~5/30>

被BABIP 防御率 被BABIP
順位
防御率
順位
全体 .312 5.26 21 25
先発 .276 4.94 11 21
リリーフ .364 5.73 30 27

5月15日までは被BABIPが30球団で1位の低さだったものが、5月16日以降は21位まで上がっており、特に中継ぎは2位から30位と劇的に悪化しています。

したがってBABIPから見ると「中継ぎは5月15日まではすごく運が良くて抑えられていたが、5月16日以降はすごく運が悪くなって炎上している」と見ることもできるのです。

 

ちなみにBABIPが上がる要因としては単純に運だけでなく、守備が下手とかシフトが機能していない等のほかに、打球速度が速いというのもあるので、結局いい当たりをされている投手のせいの可能性もあります。

また、FIPも中継ぎ全体として変化がないという話をしました。

選手個人で見ればループやテペラなどは思いっきり悪化していますが、イニングが少ないので本記事ではまだ評価しないことにしました。

 

本記事は防御率で考えるのはダメで、FIPで考えるのが正しいと言っているわけではありません。

こういう考え方をすると「運が悪くなってるだけ」と見ることもできるという程度でご覧になっていただければと思います。

 

※その他の指標
中継ぎは与四球率の悪化も目立ちます。

<5/15まで>

奪三振率 与四球率 被打率 WHIP 被BABIP 防御率 FIP xFIP
全体 7.6 2.9 .204 1.08 .239 3.17 3.83 3.97
先発 7.8 3.2 .202 1.09 .243 2.97 3.61 3.93
リリーフ 7.4 2.6 .208 1.05 .233 3.45 4.16 4.03
奪三振率 与四球率 被打率 WHIP 被BABIP 防御率 FIP xFIP
全体 25位 9位 1位 2位 1位 4位 13位 20位
先発 19位 19位 2位 3位 2位 4位 10位 15位
リリーフ 29位 1位 5位 2位 2位 12位 24位 21位

<5/16~5/30>

奪三振率 与四球率 被打率 WHIP 被BABIP 防御率 FIP xFIP
全体 9.3 3.4 .257 1.39 .312 5.26 4.26 3.65
先発 7.8 2.9 .241 1.24 .276 4.94 4.40 3.93
リリーフ 11.3 4.1 .278 1.59 .364 5.73 4.07 3.24
奪三振率 与四球率 被打率 WHIP 被BABIP 防御率 FIP xFIP
全体 3位 21位 18位 18位 21位 25位 21位 9位
先発 14位 19位 10位 12位 11位 21位 20位 14位
リリーフ 3位 25位 25位 25位 30位 27位 18位 4位

>> 【WAR】2022年エンゼルスの選手の個人成績(野手、投手)とチーム打率、チーム防御率など

>> 13連敗中のエンゼルスで良かった選手、悪かった選手

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