最近の陸上競技の女子選手は、セパレートタイプのへそ出しユニフォームを着ています。
一方、男子選手はセパレートタイプではありません。
女子選手のユニフォームは露出度が高いため、いやらしい目で見られることも多いです。
女がドン引く瞬間〜スポーツを性的な目で見る男〜 (livedoor NEWS)
このような視線を向けられるのに、なぜ女子選手はセパレートタイプのユニフォームを着るのでしょうか?
この理由について専門家は、「女性は男性と違い、胸のふくらみがあるので、空気抵抗を減らすためにセパレートを着ている」というもっともらしい理由づけをします。
しかし、実際に着ている本人たちはそんなことを考えていません。
日本でセパレートタイプのユニフォームが普及した理由について、陸上部だった私が解説します。
強い選手がセパレートのユニフォームを着るので、それを真似している
地方大会でセパレートのユニフォームは珍しかった
今から15年ほど前の2005年ごろは、日本でセパレートのユニフォームを着るのはめずらしいことでした。
地域にもよりますが、高校の県大会ではランニングシャツ、ランニングパンツで出場している選手がほとんどであり、セパレートのユニフォームを着ている選手を目にすることはほぼありませんでした。
セパレート=強豪選手でかっこいい
しかし、全国大会であるインターハイでは、セパレートのユニフォームを着ている選手もチラホラいました。
特に決勝に進出してくるような強豪校の選手は、大体セパレートタイプのユニフォームを着ていました。
これが答えです。
セパレートのユニフォームは強豪校、実力のある選手の証といった感じでした。
それに憧れて、それを真似して、どんどんセパレートを着る人が多くなっていったのです。
ランニングシャツ、ランニングパンツのユニフォームはダサい
さらに、セパレートが普及するにつれて、昔のようなランニングシャツ、ランニングパンツのスタイルはダサくなっていきました。
陸上始めたての初心者や弱い選手が着るイメージです。
ある程度の競技力を持った選手たちは、そうしたダサくてなめられるようなユニフォームを着たくないのです。
以前ジャンクスポーツでビーチバレーの女子選手が言っていましたが、ビーチバレーでも海外の強い選手ほどビキニの面積が小さくなるので、みんな真似して小さいビキニを着用しているそうです。
陸上女子選手は着たいウェアを着ているだけ
ビーチバレーでビキニが小さいほど競技に有利ということはありませんし、陸上の場合も空気抵抗を考えるならば全身タイツのほうが有利です。
「ユニフォームの面積を減らして重さを少しでも軽くしている」と思ってる人もいますが、高校生なんかはハチマキをする選手も多く、そんな数グラムの差や空気抵抗よりも意外と「気合」を重視する世界です。
一般人からすると、露出度の高いユニフォームに疑問を感じるかもしれませんが、結局、本人たちがカッコイイと思ってセパレートのユニフォームを着ています。
所属先にもよりますが、普通はセパレートタイプと従来のランニングシャツ・ランニングパンツタイプの両方のユニフォームが用意されています。
セパレートで出場している選手は、その選手自身がセパレートを選択したということです。
「着たいものを着る」
それで全くおかしくないのですが、それにしても何でもない地方大会の表彰式の動画がこれだけ再生されるのは…
ちなみに、男子のユニフォームにも流行りのスタイルみたいなものはあります。ここ十数年だと下のユニフォームが、
ランニングパンツ→ハーフスパッツ→ショートスパッツ
と変遷してきて、最近またランニングパンツをはく人が増えてきています。
女子のユニフォームも、今はセパレートが流行っているというだけなのですが、そんな露出度の高いユニフォームを着るから性被害にあうのだという意見もあるようです。
しかし、着たいから着ているということと、だから性的な撮影をしていいというのは全く違う話だと思います。こちらの記事もご覧ください。

コメント
なぜ走る距離が長くなるほどセパレートを着る選手は減っていくのでしょうか?
それこそまさに空気抵抗やユニフォームの軽量化が目的でセパレートが普及したわけではないことを物語っていると思います。それらが目的ならば長距離種目でもセパレートを着るはずなので。
海外もそうだっと思いますが、日本では短距離、跳躍系種目からセパレートが広がってきました。最近では中距離種目の800mでもセパレートの選手は多くなっています。たしかに長距離種目でセパレートの選手は少ないですが、日本選手権や国際大会の日本代表選手ではセパレートを着る選手も出てきました。海外では既に長距離種目でもセパレートを着る選手は多いので、今後は日本の長距離界でもセパレートが普及する可能性はあると思います。