エンゼルスのタッカー・デービッドソンは、2022年8月2日にイグレシアスとのトレードでブレーブスから移籍してきた26歳のサウスポーです。
デービッドソンは2020年にブレーブスでメジャーデビューし、2021年にはワールドシリーズで先発登板もしましたが、メジャーに定着するまでには至っていません。
2022年8月5日時点でエンゼルスのプロスペクトランキング(若手有望ランキング)で11位に入っており、8月7日の試合でエンゼルスで初先発する予定となっています。
デービッドソンの経歴と特徴を紹介します。
デービッドソンの経歴。マイナー、メジャーでの成績
生年月日 | 1996/3/25 |
身長 | 188cm |
体重 | 97kg |
投手 | 左投左打 |
ドラフト | 2016年 19巡目(全体559位) |
大学時代の成績(2016年)
登板 | 回 | 勝 | 負 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 |
12 | 71.1 | 6 | 2 | 2.27 | 1.15 | 9.5 | 2.5 |
※K9 = 奪三振率、BB9 = 与四球率
デービッドソンは短大のミッドランド大学2年生のときの2016年に、71.1イニングを投げて防御率2.27と好成績を収めました。
ノースカロライナ州立大学に進む予定でしたが、2016年のドラフトでブレーブスから19巡目指名を受け、12.5万ドル(1630万円)で契約しました。
マイナー、メジャーでの成績
2022年の成績は8月6日時点。
マイナーでの成績
年 | レベル | 登板 | 回 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 |
2016 | ルーキー | 11 | 29.2 | 1.52 | 1.21 | 9.7 | 1.2 |
2017 | A | 31 | 103.2 | 2.60 | 1.22 | 8.8 | 2.6 |
2018 | A+ | 24 | 118.1 | 4.18 | 1.50 | 7.5 | 4.4 |
2019 | 2A | 21 | 110.2 | 2.03 | 1.20 | 9.9 | 3.7 |
2019 | 3A | 4 | 19 | 2.84 | 1.53 | 5.7 | 4.3 |
2021 | 3A | 4 | 23 | 1.17 | 0.70 | 11.0 | 2.0 |
2022 | 3A | 15 | 80.1 | 4.59 | 1.32 | 10.8 | 2.7 |
※K9 = 奪三振率、BB9 = 与四球率
メジャーでの成績
年 | 登板 | 回 | 勝 | 負 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 |
2020 | 1 | 1.2 | 0 | 1 | 10.80 | 4.20 | 10.8 | 21.6 |
2021 | 4 | 20 | 0 | 0 | 3.60 | 1.15 | 8.1 | 3.6 |
2022 | 4 | 15.1 | 1 | 2 | 6.46 | 1.83 | 5.9 | 7.6 |
※K9 = 奪三振率、BB9 = 与四球率
19巡目指名で期待が高くなかったデービッドソンですが、プロ入り直後から好投を続け、ブレーブスのプロスペクトランキングでは2018年23位、2019年22位、2020年8位、2021年4位と、期待の高い選手へと成長していきました。
2020年シーズン終盤にメジャーデビューすると、2021年はケガもありながらもワールドシリーズ第5戦で先発登板するまでになっています。
2022年は5月に一時的に先発ローテーションに入りましたが、その後はマイナーに降格し、8月からエンゼルスでプレーしています。
デービッドソンの選手としての特徴
デービッドソンは最速97マイル(156キロ)のストレートを持ち、試合を通して球速を維持することができます。
メジャーでは与四球率が高いですがコントロールは徐々に良くなってきており、2022年のマイナーでの与四球率は低いです。
その一方で、コマンド(狙ったところに投げる能力)は改善が必要とされています。
また、データは少ないですがメジャーでは左打者に強いです。
<メジャー通算での左右別成績(8月6日時点)>
- 対左:被打率 .133、奪三振率11.0
- 対右:被打率 .261、奪三振率6.1
球種
<平均球速>
マイル | キロ | |
ストレート | 93.9 | 151.1 |
スライダー | 87.5 | 140.8 |
カーブ | 79.8 | 128.4 |
シンカー | 93.9 | 151.1 |
チェンジアップ | 85.6 | 137.7 |
評価されてきたのはストレートですが、結果が出ているのはスライダーです。
ストレートとスライダーで球種の8割ほどを占めます。
ストレートは平均球速が94マイル(151キロ)で、前述したように試合を通して球速が安定しています。
ただ、ストレートの回転数は2032rpmとメジャー下位10%ほどの低さで、被打率が高いです。
一方、スライダーは空振りを取ることができ、被打率も低いです。
カーブもスライダー同様で悪くありません。
Tucker Davidson with 3 perfect innings and 4 strikeouts today… pic.twitter.com/c6swOYqcxK
— SportsTalkATL Jake (@cantguardjake) March 26, 2022
<スライダー>
Tucker Davidson, White Castle Special. 🤮🍔🍔🍔 pic.twitter.com/E3AfXdJ1tM
— Rob Friedman (@PitchingNinja) May 18, 2021
総合評価(スカウティング・グレード)
2022年のMLBのスカウティング・グレードによる評価。
速球 | カーブ | スライダー | チェンジアップ | コントロール | 総合 |
55 | 50 | 50 | 50 | 50 | 45 |
スコアは20~80。50が平均で、60が平均以上。
総合が65以上だと、将来的にオールスター級の傑出した選手になりうるとされている。
イグレシアスとのトレードでチャベスとともに加入したデービッドソンですが、4年契約だったイグレシアスの残りの契約の負担分もブレーブスが引き継ぐ形でのトレードでした。
そのため単純に選手間を比較したときに、デービッドソンがイグレシアスとのトレードにふさわしい有望なプロスペクトだったとは言えません。
それでも既にメジャーで先発を複数回経験するレベルまで来ているプロスペクトです。
エンゼルスは大谷、サンドバル、そして2022年に成長をみせたデトマーズあたりまでは先発ローテーションとして計算できそうですが、まだ不足しています。
2023年に向けてのローテーション候補の1人としてデービッドソンにはメジャーで結果を出すことが求められます。
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