大谷は現地時間2021年9月6日の試合で、ストライクゾーンから外れたボールで見逃し三振をとられました。
大谷がストライクゾーンから外れたボールをストライクと判定されるのは珍しいことではありません。
「ピッチング・ニンジャ」として知られる野球分析者のロブ・フリードマン氏は、大谷がボール球をストライク判定されたシーンを動画にまとめています。
これだけ多いと、大谷が審判から嫌われているのかと思ってしまいます。
他の打者と比較してどうなのか気になったので調べてみました。
※以下は現地時間9月5日時点でのデータとなります。
大谷のゾーン外の球のストライク判定率は18%
Baseball Savantではメジャーリーグの全投球データを確認することができます。
9月5日時点で、大谷が見逃してストライクと判定された投球数は全部で320球です。
このうち、ストライクゾーンから外れているボールは、59球ありました。
したがって、ボール球をストライクと判定された割合は、59÷320=18.4%もあることになります。
かなり高く感じますね。
最もゾーン外の球をストライク判定されているのはタティスJr.
同様にして、メジャーでOPS(出塁率+長打率)が高い25人の選手の、ボール球をストライクと判定された割合(誤審率)を調べました。
選手 | 見逃し ストライク |
ゾーン外 ストライク |
誤審率 |
タティスJr. | 170 | 42 | 24.7% |
タッカー | 190 | 41 | 21.6% |
ジャッジ | 372 | 78 | 21.0% |
ゲレーロJr. | 269 | 51 | 19.0% |
ベッツ | 343 | 65 | 19.0% |
カステラノス | 183 | 34 | 18.6% |
レイノルズ | 249 | 46 | 18.5% |
大谷翔平 | 320 | 59 | 18.4% |
選手 | 見逃し ストライク |
ゾーン外 ストライク |
誤審率 |
ターナー | 338 | 61 | 18.0% |
クロフォード | 203 | 36 | 17.7% |
ハーパー | 229 | 40 | 17.5% |
ライリー | 299 | 50 | 16.7% |
フリーマン | 243 | 39 | 16.0% |
ラミレス | 384 | 61 | 15.9% |
アルバレス | 393 | 62 | 15.8% |
ソト | 432 | 68 | 15.7% |
選手 | 見逃し ストライク |
ゾーン外 ストライク |
誤審率 |
クロン | 286 | 43 | 15.0% |
ウィンカー | 287 | 43 | 15.0% |
ボットー | 308 | 46 | 14.9% |
オルソン | 308 | 45 | 14.6% |
ディバース | 215 | 30 | 14.0% |
ボガーツ | 399 | 53 | 13.3% |
セミエン | 382 | 49 | 12.8% |
マンシー | 417 | 51 | 12.2% |
マリンズ | 383 | 42 | 11.0% |
選手 | 見逃し ストライク |
ゾーン外 ストライク |
誤審率 |
平均 | – | – | 16.7% |
最もストライクゾーンから外れたボールをストライクと判定されていたのは、タティスJr.でした。
その誤審率は24.7%で、今回調べた25人の中では断トツでした。
大谷の誤審率18.4%は、25人中8番目の多さでした。
ただ、25人の平均誤審率は16.7%なので、大谷のストライクゾーン外でストライクとコールされる割合が、他の打者よりもすごく高いというほどではないです。
ボール球をストライクにされやすい選手は、ストライクの球をボールにしてもらいやすい
反対に、ストライクゾーン内でボールと判定された割合も調べてみました(バッターが得する誤審)。
9月5日時点で、大谷がボールと判定された投球数は全部で786球です。
このうち、ストライクゾーン内の球は、27球ありました。
したがって、本来ストライクとなる球をボールと判定してもらえた割合は、27÷786=3.4%でした。
他の選手も同様に確認すると、ストライクゾーン外でストライクと判定されてしまう割合と、ストライクゾーン内でボールと判定される割合は、逆相関の関係にあることがわかりました。
つまり、
ボール球をストライクと誤審される選手は、ストライクの球をボールには誤審してもらえず(グラフ右下の選手)、
ボール球をストライクに誤審されない選手は、ストライクの球をボールに誤審してもらえる(グラフ左上の選手)
ということです。
とても不公平な感じがします。
審判に関しては、「選球眼が良い選手は甘く判定されやすい」とか、「若い選手は厳しく判定される」とか、「人気チームは有利な判定をもらいやすい」など、いろいろ聞きます。
それら関係しそうなデータと今回調べた誤審率を確認してみましたが、相関がありそうなデータを発見することはできませんでした。
もしかしたら本当に審判の好き嫌いが関係しているのかもしれません。
一部のマイナーリーグの試合では、試験的に機械によるストライク・ボールの判定が導入されています。
大谷はどちらというと不利な判定をされやすいので、機械による公平なジャッジの導入を期待したいです。
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