2022年の大谷は、打率がやや伸び悩んでいます。
6月3日時点で大谷の打率は.244で、これはメジャー平均の.240とほとんど変わりません。
ただ、打球速度と打球角度から統計的に得られる予測打率(xBA)は、大谷は.274と悪くありません。
実際の打率と予測打率が大きく乖離している要因として、1つには大谷が今シーズン導入されている飛ばないボールの影響を受けやすいタイプであることが考えられます。
>> 2022年MLBは歴史的な打低。原因の飛ばないボールは大谷タイプの打者に影響大
そしてもう1つ、大谷がシフトに上手くはまってしまっている可能性があります。
※本記事でのシフトは、内野手が二塁ベースを基準に片側に3人以上いるケースとします。例えばショートが二塁ベースを越えない程度にセカンド寄りにいたり、セカンドがライト付近まで深く守っているものはシフトとしません。外野の守備位置も対象としません。
大谷の内野シフト率が90%超え
スタットキャストによると、2022年の大谷のシフト率は90.3%であり、6月3日時点で100打席以上たっている選手271人の中で、10番目に高いシフト率となっています。(メジャー平均は36.5%、左打者平均は58.4%)
<2022年の打者・大谷のときの守備位置>
大谷へのシフトは2021年から多くなっていますが、その2021年と比べても2022年はシフト率が非常に高くなっており、シフトが敷かれてない打席がほとんどありません。
年 | 打席数 | シフト回数 | シフト率 |
2018 | 364 | 170 | 46.7% |
2019 | 424 | 145 | 34.2% |
2020 | 175 | 90 | 51.4% |
2021 | 609 | 459 | 75.4% |
2022 | 216 | 195 | 90.3% |
シフトあり、シフトなしでの大谷の打率比較
<2022年>
打席数 | 打率 | 予測打率 (xBA) |
|
シフトなし | 21 | .278 | .290 |
シフトあり | 195 | .240 | .272 |
<2021年>
打席数 | 打率 | 予測打率 (xBA) |
|
シフトなし | 150 | .290 | .295 |
シフトあり | 459 | .246 | .260 |
シフトなしの打席数がそれなりにあった2021年も含めて、大谷はシフトがある場合に打率を大きく落としています。
実際の打率と予測打率(xBA)との差もシフトがある場合の方が大きくなっており、大谷がシフトにはまってしまっていると推測されます。
<動画・ヒット確率85%のショートライナー>
<動画・ヒット確率57%のショートゴロ>
上記2つは記載ミスではなく、この位置に飛んだ打球をショートが捕球しています。
大谷に関係なく、このような捉えた打球をファインプレーでもなく簡単にアウトにされるのは、個人的にはつまらないと感じてしまいます。
2023年からは二塁ベースを基準に片側に3人配置するシフトが禁止になるという話もあるので、シフトに苦しむ大谷にとっては追い風となりそうですし、見ている側も満足するのではないかと思います。
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