※9月4日追記。イグレシアスは自由契約になりました。以下は9月1日に書いた記事となります。
エンゼルスのホセ・イグレシアスは、2021年にエンゼルスに移籍してきました。
大谷がホームランを打った時にベンチ前でお出迎えしてくれる選手なので、日本のファンからの認知度も高いと思います。
エンゼルスではショートとして、ほとんどの試合に出場していたイグレシアスですが、8月26日から出場機会が激減しています。
直前の試合で死球を受けていたのでケガが心配されていましたが、状態に問題があるわけではなく、メイフィールドを使うために外されているようです。
事実上、来季の構想外という可能性が高いです。
Maddon said there's nothing wrong with José Iglesias, but they want to get a look at Jack Mayfield for the future. https://t.co/dBCzhZK5XW
— Jeff Fletcher (@JeffFletcherOCR) August 30, 2021
(日本語訳)
マドン監督はホセ・イグレシアスには何の問題もないが、将来のためにジャック・メイフィールドを見ておきたいと語った。
イグレシアスはメジャー控えクラスのショート
2021年のイグレシアスの成績は悪く、レギュラーを外されても仕方のないものでした。
打撃・守備・走塁を含めた選手の総合的な指標として「WAR」というものがあります。
8月31日時点で規定打席に到達しているショートの選手24人中、イグレシアスのWARは0.6で20位です。
データサイトFangraphsの分類では、WAR1.0以下は「控え選手」クラスとされており、普通のチームならスタメンで出場し続けられるような成績ではありませんでした。
※8月31日時点で規定打席に到達しているショートのWARの平均は2.5
守備。ショートではメジャー最下位
華麗な守備が魅力のイグレシアスですが、守備の指標は非常に悪いです。
守備の指標UZRは-4.9で、8月31日時点で700イニング以上出場しているショート24人の中で最下位です。
別の守備指標であるDRSは-21で、こちらも最下位です。
守備の指標は発展途上にあり、UZRとDRSで評価が変わることもありますが、イグレシアスはどちらの指標も非常に悪く、間違いなく守備が下手です。
打撃。メジャー下位の打撃力で四球も少ない
8月31日時点でのイグレシアスの打撃成績です。
- 打率.259 (メジャー平均.242)
- 出塁率.295 (メジャー平均.316)
- 長打率.375 (メジャー平均.408)
- OPS.670 (メジャー平均.724)
どれもパッとしない数字です。
打撃の総合指標wRC+は84で、これは平均的な打者よりも16%低い得点しか生み出せていないという意味です。
規定打席に到達しているメジャーの選手139人中、イグレシアスのwRC+は127位でした。
また、早打ちのため粘って貢献するということもできません。
規定打席に到達しているメジャーの選手139人中、四球率は4.0%でメジャーで下から4番目、1打席あたりの被投球数は3.59球で下から8番目でした。
イグレシアスとメイフィールドの比較
メイフィールドはまだショートでの出場イニングが少ないため、守備の比較はできません。(何試合か見たところでは上手くはないと思いますが)
8月31日時点でのイグレシアスとメイフィールドの打撃成績の比較です。
イグレシアス | メイフィールド | |
打率 | .259 | .224 |
出塁率 | .295 | .276 |
長打率 | .375 | .488 |
OPS | .670 | .764 |
四球率 | 4.0% | 5.1% |
wRC+ | 84 | 106 |
メイフィールドの打撃の総合指標であるwRC+は106で、メジャーでも平均的な得点を生み出せる打者であることを意味します。
メイフィールドは長打力が魅力で、2019年にはマイナーで100試合で26本のホームランを打っています。
したがって、まだメジャーでの出場機会の少ないメイフィールドを試してみようとするのは理解できます。
ただ、メイフィールドは今年31歳になる選手で若くありませんし、2021年4月には一度エンゼルスを戦力外となっている選手です。
メイフィールドを来季のショートのレギュラーにしようと、本気で考えているようには思えません。
イグレシアスは大谷と仲がいいので、少しひいき目に見てしまいがちですが、客観的に成績を見れば、レギュラーとして使われるべき選手ではありません。
若手でもなく、成績がすごく良いというわけでもないメイフィールドに出場機会を奪われた現状を考えると、来季のエンゼルスの構想に入っているとは考えにくいです。
イグレシアスは今季FAとなりますが、契約を延長する可能性は低いと思います。
コメント
いつも読ませていただいています。
残念ながらイグレシアスは自由契約になってしまいましたね。
今日(9/5)はレンヒフォが出てました。守備は良く見えましたが、
打撃はイグレシアス、メイフィールドよりも(今の所)期待できなさそうです。
来期はSSに有力なFAがいるので補強できればよいのですが…。
おっしゃる通りショートは大物FA選手が複数いるので、たぶんエンゼルスは取りに行くと思います。
そのバックアップ要員としてメイフィールドのほうが安く抑えられますし、イグレシアス自身も長年スタメンで出場してきた選手であり、先発での出場機会を求めるはずなので、やはり来年エンゼルスに残るのは難しかったかなと思います。
それでもシーズン中の自由契約は予想していなかったので驚きました。
レンヒーフォは見ていてたしかに打てそうな感じがしませんが、まだ若いですしマイナーでは結構打っているようなので成長を期待したいですね。