1年ぶりとなる試合で、マロニーを相手に鮮やかなKO勝利をおさめた井上尚弥選手。
この試合が海外でどう評価されたのか気になり、YouTubeで英語コメントを確認していると、やたらと「turtle」という単語を目にしました。
どうやらWBO世界王者のカシメロのファン(のフィリピン人)が、井上尚弥のことを「turtle」という蔑称で呼んでいるようです。
「turtle」は「亀」ですが、ボクシングで亀の悪いイメージを考えてみると、
- スピードが遅い
- ガードを固めるだけで手数が少ない
という感じですが、これらは圧倒的なスピードを持ち、ストレートのようなジャブをガンガンついて相手にプレッシャーをかけていく井上尚弥のスタイルとは正反対です。
また、顔も亀に似ているとは思えず、なぜ井上尚弥が「亀」と呼ばれるのか不明だったので調べてみました。
カシメロが井上尚弥を「Japanese turtle」と呼んで挑発
2020年9月26日にカシメロはミカーに勝利し、WBO王座の3度目の防衛に成功しました。
この試合後のインタビューでカシメロは井上尚弥について、
You are no monster, you are a Japanese turtle
(お前はモンスターではなく、亀だ)
と言ったのです。(参考: 井上尚弥を「亀」呼ばわり カシメロの挑発動画に海外騒然「顔面に穴開けられるぞ」)
ここからカシメロやカシメロ陣営、さらにはカシメロファンのフィリピン人を中心に、井上尚弥を挑発するときに「亀」という言葉が使われるようになりました。
(Sean Gibbons=カシメロのプロモーター)
カシメロとの対戦から逃げる井上の姿を、甲羅に隠れる亀に例えている
カシメロは井上尚弥のニックネームを「モンスター」から「亀」に変えるべきだと、たびたび挑発しています。
その理由について、次のように述べています。
He always hides under his shell; he said I can’t hit him. That’s because he is afraid to get out of his shell
(井上はいつも甲羅に隠れている。井上は私のパンチは当たらないと言っているが、それは井上が甲羅から出てこないからだ。)
当初、カシメロと井上は2020年4月に対戦する予定でしたが、新型コロナの影響で延期となりました。
井上戦を熱望していたカシメロは、試合の延期に不満を持ちました。
また、カシメロは自分がフィリピンに帰国せずアメリカで待っていたのに対し、井上はビザの問題で日本で調整していることも気に食わず、井上が逃げてアメリカに来ないと主張するようになりました。
カシメロの母国フィリピンの有識者も、試合の延期は渡航制限の問題だけではなく、井上のプロモーターのボブ・アラムがカシメロから井上を守ったためだと考えています。(参考: 井上尚弥戦が先送りになったワケ カシメロ母国識者が推測「アラムが井上を守った」)
つまり、カシメロはプロモーターに守られて自分との対戦から逃げる井上の姿を、甲羅に隠れる亀に例えて「Japanese turtle」と呼んでいるのです。
※※※2021年4月25日追記※※※
YouTubeチャンネルの格闘キャストがカシメロへインタビューを行い、なぜ井上尚弥を亀と呼ぶのか聞いています。カシメロの答えは次のようなものでした。
何故かと言うと、亀は遅いから。遅くてビビりだから。何回も俺と戦うためにエサをまいているのに、遅すぎてビビりだから食いつかないので、だから彼を亀と呼んでいる
井上は逃げていない。試合延期の理由はファイトマネーの減額
結局、井上尚弥はカシメロではなくマロニーと試合することになりました。
試合の延期理由は、新型コロナの影響で無観客試合となるためにファイトマネーが減額されることを、カシメロ側が拒否したためと報じられています。
したがって井上尚弥が逃げたわけではないのに、「亀」よばわりされるのは同じ日本人としていい気がしません。
早く対戦が実現して、カシメロを黙らせてほしいところです。
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