ジェイク・ケイリッシュは2022年3月にエンゼルスとマイナー契約を結びました。
ケイリッシュは2022年7月9日で31歳になりましたが、まだメジャーに上がった経験はありません。
それでもエンゼルス傘下3Aでは、6月1日時点でリーグトップの6勝、リーグ唯一の1点台である防御率1.76(47イニング)を記録していました。
オールドルーキーとしてメジャー初昇格の期待がかかります。
※その後は打たれる試合もありましたが、前半戦終了時点で防御率は2.69と打高の3Aで健闘しています。
ケイリッシュの経歴。マイナーでの成績
生年月日 | 1991/7/9 |
身長 | 188cm |
体重 | 95kg |
投手 | 左投両打 |
ドラフト | 2015年 32巡目(全体969位) |
ケイリッシュの兄ライアン・ケイリッシュはレッドソックスとカブスでプレーした元メジャーリーガーです。
ケイリッシュも2015年のジョージ・メイソン大学5年目で、ロイヤルズから32巡目で指名され、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。
2015~2021(ロイヤルズ傘下)
※以下、K9=奪三振率、BB9=与四球率
<2015年ルーキーリーグでの成績>
登板 | 回 | 勝 | 敗 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 | 被打率 |
14 | 33.2 | 3 | 3 | 2.67 | 0.89 | 9.9 | 1.3 | .202 |
<2016年1A、1A+での成績>
登板 | 回 | 勝 | 敗 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 | 被打率 |
23 | 47.2 | 3 | 0 | 2.45 | 0.92 | 9.1 | 2.1 | .192 |
ケイリッシュは2015年~2016年はほぼ全ての試合でリリーフで登板し、防御率2.50前後にまとめています。
その結果、1A+まで順調に上がりました。
そして2017年開幕前には、イスラエル代表としてWBCに選出されました。(ケイリッシュはユダヤ系アメリカ人)
<2017年1A+、2A、3Aでの成績>
登板 | 回 | 勝 | 敗 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 | 被打率 |
31 | 105.2 | 2 | 8 | 3.24 | 1.34 | 7.5 | 2.4 | .278 |
<2018年2A、3Aでの成績>
登板 | 回 | 勝 | 敗 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 | 被打率 |
33 | 127.2 | 8 | 8 | 3.88 | 1.26 | 8.7 | 1.5 | .275 |
<2019年2A、3Aでの成績>
登板 | 回 | 勝 | 敗 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 | 被打率 |
27 | 127.2 | 8 | 8 | 4.86 | 1.28 | 7.2 | 1.8 | .272 |
<2021年3Aでの成績>
登板 | 回 | 勝 | 敗 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 | 被打率 |
30 | 96 | 3 | 6 | 6.94 | 1.51 | 9.9 | 3.3 | .286 |
2017年以降は先発、リリーフ両方をこなすようになりましたが、2Aと3Aが壁となってしまいました。
2019~2021年までは毎年ロイヤルズのキャンプに招待選手として参加し、先発ローテーションを争いましたが、メジャー昇格はならず2021年オフにマイナーFAとなりました。
2022年(エンゼルス傘下)
<2022年3Aでの成績(7月21日時点)>
登板 | 回 | 勝 | 敗 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 | 被打率 |
15 | 70.1 | 8 | 2 | 2.69 | 1.21 | 8.3 | 2.2 | .256 |
2022年3月にエンゼルスとマイナー契約を結び、リリーフで3試合投げた後、先発ローテーションとして3Aで好投を続けています。
特に5月4日から6月1日までは長いイニングで結果を残していました。
- 5/4 6回1失点
- 5/11 6.2回2失点
- 5/18 7回無失点
- 5/25 6回無失点
- 6/1 6.2回2失点
6月1日の試合は6回2アウトまで無失点でしたが、チワワズの秋山に2点タイムリーヒットを浴び、降板しています。
>> 2022年の秋山翔吾のマイナー成績の推移。打率、OPS【3Aエルパソ・チワワズ】
ケイリッシュの選手としての特徴。球種
ケイリッシュは与四球率の低いピッチャーです。
ストライク率が66%前後と高く安定しています。
奪三振率もそれなりに高いですが、空振りを取れるような特別なボールがあるわけではないと言われています。
どちらかと言えば打たせてとるタイプのようですが、調子の悪い年はゴロ/フライ比率が低い一方、絶好調の2022年はゴロ/フライ比率が高いです。
ゴロを打たせられるかどうかが、ケイリッシュの調子のバロメーターとなるかもしれません。
球種については、よくコントロールされたスライダーが良いという話がありますが、その他はほとんど情報がありません。
何もないよりはマシかと思い、「The Show」というゲーム内での数値をのせておきます。
<球速>
- ストレート:92マイル(148キロ)
- スライダー:83マイル(134キロ)
- チェンジアップ:80マイル(129キロ)
- ツーシーム(シンカー):91マイル(147キロ)
Jake put the K in Kalish tonight.
7.0 IP, 5 H, 1 R, 1 BB, 9 K’s pic.twitter.com/TM1wCSIEUs— Salt Lake Bees (@SaltLakeBees) May 6, 2023
まとめ
ケイリッシュは与四球率がとても低く、奪三振率もそこそこ高いので、指標上は悪くないです。
ただ、特別に良いボールがあるわけではないとのことなので、ストライクをぽんぽん取りに行くとメジャーレベルでは打ちこまれるかもしれません。
それでも3Aで防御率2点台は立派です。(7月21日時点)
私は何も知らないふりをしてエンゼルスの打者の3Aでの好成績を載せたりしますが、3Aはものすごい打高のリーグです。
7月21日時点でエンゼルス傘下の3Aのチーム防御率は4.83ですが、これがリーグ1位で唯一の4点台です。
そういう環境でのケイリッシュの防御率2点台は価値があるように思います。
ケイリッシュは左腕で先発もリリーフもでき、そして、プロスペクトでもない30歳を超えたピッチャーです。
言葉は悪いですが使い捨てしやすいので、今年どこかでメジャーデビューのチャンスがあるかもしれません。
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