アメリカのデータ分析会社が「ストライクゾーンを通過していない球がストライクとコールされた回数は鈴木誠也の24回がMLBで最多」と言っていると、大手メディアのフルカウントが報じました。
正直に言うと、またこの手の怪しいデータで日本人が審判に差別を受けているとこじつける記事かと、うんざりしました。
鈴木誠也の打席をちゃんと見ている人ならわかると思いますが、鈴木誠也はボールを見ていくタイプでスイング率が低いです。
見逃す球が多ければ単純に誤審の回数自体も増えるのは当然なので、誤審の回数が最多というのも不自然ではないです。
実際、元のデータ分析会社のツイートにもそういう返信をしている人もいました。
Doesn’t Seiya also swing less than almost everyone else in the league? If you sort by percentage of strikes, is he still in the lead?
— Joshua Yanovski (@awesomeintheory) May 27, 2022
誠也はスイングもリーグのほとんどの選手より少ないのでは? ストライクの割合で並べてもトップなの?
ということで、大手メディアが適当な記事を書くなと批判するつもりで、鈴木誠也の誤審の割合を調べてみたところ、本当に鈴木誠也の誤審の割合はメジャーでも上位でした…。
※データは2022年5月27日時点のものです。
鈴木誠也のストライク・ボール判定の誤審率
元の分析会社では、ストライクゾーンの内・外で外れているものだけを対象としていますが、本記事では上下に外れているものも対象とします。
上下に外れているものも対象とすると、ボールゾーンの球がストライクと判定された回数の上位は以下のようになっていました。
- R・グロスマン 34回
- E・エスコバー 31回
- A・ジャッジ 30回
- 鈴木誠也 28回
集計方法が少し違いますが、やはり鈴木誠也は単純にストライクと誤審された回数だけで言えば上位です。
続いて、シーズンで計300球以上投じられた選手を対象に、
「ボールゾーンでストライクと判定された数」÷「ボールゾーンで見逃した全球」
を誤審率として調べてみました。
誤審率のメジャー平均は6.4%でしたが、鈴木誠也の誤審率は9.9%で、対象となった295人のうち14番目に多い結果となりました。
<誤審率上位20人>
順位 | 選手 | チーム | 誤審率 |
1 | N.マドリガル | カブス | 15.2% |
2 | G.セレスティーノ | ツインズ | 12.5% |
3 | A.ノラ | パドレス | 12.2% |
4 | A.スレイター | ジャイアンツ | 11.9% |
5 | R.グロスマン | タイガース | 11.8% |
6 | A.イバニエス | レンジャーズ | 11.3% |
7 | A.リーバス | カブス | 11.2% |
8 | L.ウリアス | ブルワーズ | 10.7% |
9 | E.エスコバー | メッツ | 10.7% |
10 | グリエルJr. | ブルージェイズ | 10.4% |
11 | C.ピンダー | アスレチックス | 10.4% |
12 | J.カマルゴ | フィリーズ | 10.2% |
13 | アクーニャJr. | ブレーブス | 10.1% |
14 | 鈴木誠也 | カブス | 9.9% |
15 | W.フローレス | ジャイアンツ | 9.6% |
16 | J.スタリングス | マーリンズ | 9.6% |
17 | M.カナ | メッツ | 9.5% |
18 | A.ジャッジ | ヤンキース | 9.3% |
19 | J.ペーニャ | アストロズ | 9.2% |
20 | N.ゴードン | ツインズ | 9.1% |
たしかに鈴木誠也はメジャーの審判の洗礼を受けているかもしれません。
ただし、新人だからというわけではないと思います。
誤審率上位20人はメジャー1~3年目の新人7人、4~8年目の中堅10人、10年以上のベテラン3人と、おそらくメジャー分布とそんなに変わらないぐらいでバラついているからです。
ちなみに他の日本人選手の誤審率は、大谷が8.3%で46位、筒香が8.0%で55位と割と上位にきていました。(対象295人、平均6.4%)
日本人差別でしょうか?
3人だけでは何とも言えないので、もっとたくさんの日本人野手メジャーリーガーが活躍するような状況を期待したいです。
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