※デービッドソンは2023年7月27日にDFA(戦力外)となりました。以下はエンゼルス時代(主に2022年まで)のデービッドソンの紹介です。
エンゼルスのタッカー・デービッドソンは、2022年8月2日にイグレシアスとのトレードでブレーブスから移籍してきた26歳のサウスポーです。(2023年3月に27歳)
デービッドソンは2020年にブレーブスでメジャーデビューし、2021年にはワールドシリーズで先発登板もしましたが、メジャーに定着するまでには至っていません。
2022年8月5日時点でエンゼルスのプロスペクトランキング(若手有望ランキング)で11位に入っており、8月7日の試合でエンゼルスで初先発し、8月14日にエンゼルスでの初勝利をあげました。
2023年は先発ローテーションの6番目を争っています。
デービッドソンの経歴と特徴を紹介します。
デービッドソンの経歴。マイナー、メジャーでの成績
生年月日 | 1996/3/25 |
身長 | 188cm |
体重 | 97kg |
投手 | 左投左打 |
ドラフト | 2016年 19巡目(全体559位) |
大学時代の成績(2016年)
登板 | 回 | 勝 | 負 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 |
12 | 71.1 | 6 | 2 | 2.27 | 1.15 | 9.5 | 2.5 |
※K9 = 奪三振率、BB9 = 与四球率
デービッドソンは短大のミッドランド大学2年生のときの2016年に、71.1イニングを投げて防御率2.27と好成績を収めました。
ノースカロライナ州立大学に進む予定でしたが、2016年のドラフトでブレーブスから19巡目指名を受け、12.5万ドル(1630万円)で契約しました。
マイナー、メジャーでの成績
マイナーでの成績
年 | レベル | 登板 | 回 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 |
2016 | ルーキー | 11 | 29.2 | 1.52 | 1.21 | 9.7 | 1.2 |
2017 | A | 31 | 103.2 | 2.60 | 1.22 | 8.8 | 2.6 |
2018 | A+ | 24 | 118.1 | 4.18 | 1.50 | 7.5 | 4.4 |
2019 | 2A | 21 | 110.2 | 2.03 | 1.20 | 9.9 | 3.7 |
2019 | 3A | 4 | 19 | 2.84 | 1.53 | 5.7 | 4.3 |
2021 | 3A | 4 | 23 | 1.17 | 0.70 | 11.0 | 2.0 |
2022 | 3A | 15 | 80.1 | 4.59 | 1.32 | 10.8 | 2.7 |
※K9 = 奪三振率、BB9 = 与四球率
メジャーでの成績
年 | 登板 | 回 | 勝 | 負 | 防御率 | WHIP | K9 | BB9 |
2020 | 1 | 1.2 | 0 | 1 | 10.80 | 4.20 | 10.8 | 21.6 |
2021 | 4 | 20 | 0 | 0 | 3.60 | 1.15 | 8.1 | 3.6 |
2022 | 12 | 52 | 2 | 7 | 6.75 | 1.71 | 5.7 | 6.1 |
※K9 = 奪三振率、BB9 = 与四球率
2023年のメジャーでの成績はこちら
>>【メジャー】2023年エンゼルスの選手の個人成績(野手、投手)
ドラフト19巡目指名で期待が高くなかったデービッドソンですが、プロ入り直後から好投を続け、ブレーブスのプロスペクトランキングでは2018年23位、2019年22位、2020年8位、2021年4位と、期待の高い選手へと成長していきました。
2020年シーズン終盤にメジャーデビューすると、2021年はケガがありながらもワールドシリーズ第5戦で先発登板するまでになっています。
2022年は5月に一時的に先発ローテーションに入りましたが、その後はマイナーに降格し、8月からエンゼルスでプレーしています。
2022年のエンゼルスではローテーションに入りましたが、与四球、被本塁打が多く、結果を出すことができませんでした。
2023年は先発ローテーションの6人目を争う選手として、開幕メジャー入りを果たしました。
デービッドソンの選手としての特徴
デービッドソンは最速97マイル(156キロ)と言われるストレートを持ち、平均は94マイル(151.3キロ)ほどですが、試合を通して球速を維持することができます。
メジャーでは与四球率が非常に高いですがコントロールは徐々に良くなってきており、2022年のマイナーでの与四球率は2.7と低いです。
特に、投球動作への入り方を変更した9月21日の登板では、5イニングを投げてメジャーで初めて与四球がゼロとなりました。
その一方で、コマンド(狙ったところに投げる能力)は改善が必要とされています。
2023年のオープン戦では防御率5.19ながら、課題であった与四球率が2.08と低くなりました。
球種
<平均球速>
マイル | キロ | |
スライダー | 86.7 | 139.5 |
ストレート | 93.2 | 150.0 |
カーブ | 78.5 | 126.3 |
シンカー | 92.9 | 149.5 |
チェンジアップ | 85.6 | 137.7 |
評価されてきたのはストレートですが、結果が出ているのはスライダーです。
ストレートとスライダーで球種の8割ほどを占めます。
ストレートは平均球速が94マイル(151キロ)で、前述したように試合を通して球速が安定しています。
ただ、ストレートの回転数は2017rpmとメジャー下位8%ほどの低さで、被打率が高いです。
一方、スライダーは空振りを取ることができ、被打率もストレートに比べると低いですが2022年はわりと打たれています。
カーブもスライダーと同様で悪くはないですが良くもありません。
エンゼルスに来てから割合が増えているチェンジアップはまだデータが少ないですが、今のところあまり打たれていません。
Tucker Davidson with 3 perfect innings and 4 strikeouts today… pic.twitter.com/c6swOYqcxK
— SportsTalkATL Jake (@cantguardjake) March 26, 2022
<スライダー>
Tucker Davidson, White Castle Special. 🤮🍔🍔🍔 pic.twitter.com/E3AfXdJ1tM
— Rob Friedman (@PitchingNinja) May 18, 2021
総合評価(スカウティング・グレード)
2022年のMLBのスカウティング・グレードによる評価。
速球 | カーブ | スライダー | チェンジアップ | コントロール | 総合 |
55 | 50 | 50 | 50 | 50 | 45 |
スコアは20~80。50が平均で、60が平均以上。
総合が65以上だと、将来的にオールスター級の傑出した選手になりうるとされている。
イグレシアスとのトレードでチャベスとともに加入したデービッドソンですが、4年契約だったイグレシアスの残りの契約の負担分もブレーブスが引き継ぐ形でのトレードでした。
そのため単純に選手間を比較したときに、デービッドソンがイグレシアスとのトレードにふさわしい有望なプロスペクトだったとは言えません。
それでも既にメジャーで先発を複数回経験するレベルまで来ているプロスペクトです。
エンゼルスは大谷、サンドバル、2022年に成長をみせたデトマーズ、スアレスあたりまでは先発ローテーションとして計算できそうですが、まだ不足しており、デービッドソンは2023年に向けてのローテーション候補の1人でした。
しかし、2022年のエンゼルス移籍後は8試合に先発して1勝5敗、防御率6.87と結果が出せず、内容も良くないので、早くもDFA(戦力外)がちらついてきました。
2023年3月に27歳となり、若いとも言えない年齢になってきたので、早急に結果がほしいところです。
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