エンゼルスの投手陣について、ヤフーニュースのコメントで次のようなものがありました。
中継ぎ陣はエンゼルスに入団すると成績を落とす
エンゼルスを出ると活躍する
(後略)
これは2021年にも言われていたことで、そのきっかけにもなったのがストリックランドのエンゼルス入退団前後での成績の変化でした。
Hunter Strickland 2021 breakdown:
Team 1: Tampa
Team 2: LAA
Team 3: MilwaukeeTeam 1 ERA/Games: 1.69/13
Team 2 ERA/Games: 9.95/9
Team 3 ERA/Games: 1.73/35— Big Red Machine (@BigRedTweeter) March 22, 2022
2021年のストリックランド
- レイズ 13試合/防御率1.69
- エンゼルス 9試合/防御率9.95
- ブルワーズ 35試合/防御率1.75
そして2022年も、パイレーツに移籍した元エンゼルスのキンタナが、6月9日時点で11試合に先発して防御率3.19と好投しています。
やはり投手はエンゼルスに入団すると成績が悪化し、退団すると良化するのでしょうか?
確認のため、2021年にエンゼルスでプレーしていた投手の2022年の成績を調べてみました。(成績は6月9日時点)
エンゼルスを退団した投手の成績
「-」は2022年にメジャーでの登板がない選手です。
2021年 | 2022年 | |||
選手 | 回 | 防御率 | 回 | 防御率 |
ヒーニー | 94.0 | 5.27 | 10.1 | 0.00 |
コブ | 93.1 | 3.76 | 37.2 | 5.73 |
バンディ | 90.2 | 6.06 | 42.0 | 5.57 |
シーシェク | 68.1 | 3.42 | 23.0 | 3.91 |
キンタナ | 53.1 | 6.75 | 53.2 | 3.19 |
ワトソン | 33.0 | 4.64 | – | – |
クラウディオ | 32.2 | 5.51 | – | – |
スレガース | 31.0 | 6.97 | – | – |
ノートン | 22.2 | 6.35 | 13.0 | 5.54 |
セルマン | 17.0 | 6.35 | 7.0 | 5.14 |
ストリックランド | 6.1 | 9.95 | 20.2 | 6.53 |
ペトリッカ | 6.0 | 15.00 | – | – |
ラミレス | 3.1 | 5.40 | 24.1 | 5.55 |
ペーニャ | 1.2 | 37.80 | – | – |
全体的にエンゼルスを出た後のほうが防御率が良くなっているように見えます。
でも、防御率5.00でも6.00でもどっちでもダメ投手であることに変わりはないという冷静な視点で見ると、良くなったのは冒頭で紹介したキンタナと、ドジャースに移籍したヒーニーぐらいだと思います。
そのヒーニーも2試合に先発したあと負傷者リスト入りしており、先発ローテーションとしての貢献度的には微妙です。(6月半ばにメジャー復帰する予定)
したがって、「投手はエンゼルスに入団すると成績を落とす」というのは正しいかもしれませんが、「エンゼルスを出ると活躍する」は正しくないと思います。
選手がエンゼルスに入ることでおかしくなってしまうのか、エンゼルスがちょうどダメになるころの選手を拾ってきてしまうのかはわかりません。
個人的には単純に、メジャーで毎年安定して良い成績を残せる選手は多くない、というだけのような気もします。
2022年もエンゼルスの投手陣が悪いと言われていますが、こうして2021年に投げていた選手の成績を振り返ると、まだ2022年のほうがマシだなと思いました。(6月9日時点での感想です)
>> 【WAR】2022年エンゼルスの選手の個人成績(野手、投手)とチーム打率、チーム防御率など
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