メジャーリーグのトレード期限は現地時間8月2日です。
期限まで1か月を切り、現地ではトレードの噂も盛り上がってきています。
日本でも大谷の移籍報道が過熱しており、もはや大谷のトレードは既定路線で、移籍先はどこかというのが話題の中心になっているようにさえ感じます。
大谷、トレード加速 移籍先有力はヤンキース、メッツ、ドジャース エンゼルス資金難でFA前放出不可避
しかし、トレード情報を扱うアメリカ最大手のサイト「Trade Rumors」で7月8日に発表された「2022年のトレード候補者トップ50(記事は英語)」では、大谷はトレード候補に入りませんでした。
エンゼルスからは大谷ではなくシンダーガードがトレード候補者に入る
エンゼルスからトレード候補に入ったのは、シンダーガード(21位)だけでした。
シンダーガードは1年契約で2022年オフにFAとなります。
トミージョン手術前のような投球はできていませんが、ローテーションは守っています。
先発としての需要はあるので、トレードの可能性は高いです。
トレード候補者トップ50の下位選手はトレード可能性が高くなく、大谷はその候補者ですらない
シンダーガード以外でもコントレラス(カブス)、ベニンテンディ(ロイヤルズ)など、トレード候補者トップ50の上位は今オフFAとなる選手が多く、移籍の可能性が高いですが、下位の選手はそうでもありません。
例えば、48位に入ったマリンズ(オリオールズ)は2021年に30本30盗塁を達成した選手ですが、FAとなるのは2025年オフです。
再建期とはいえ徐々に戦力が整いつつあるオリオールズがトレードに出す可能性は低いと見られています。
このようにトレード候補者トップ50はあくまでも「候補者」というだけで、トレードの可能性が低い選手も含まれています。
そして、大谷はその候補者にすら入っていないというのが現在の状況です。
※追記。現地時間7月29日に「トレード候補者トップ60」が発表され、大谷は60番目に入りました。大谷へのトレードのオファーに対してエンゼルスが少なくとも耳を傾けるようになったため、依然として可能性はかなり低いもののゼロではないと見られています。ちなみにシンダーガードは11番目に上がっています。
エンゼルスは2023年までは勝負をかけているような状況
日本での大谷移籍報道では、エンゼルスは大谷を放出して再建期に入るべきという論調ですが、実際にはエンゼルスは再建期に入るような動きを全く見せていません。
エンゼルスは2021年も前半戦でポストシーズン進出が難しくなり、売り手に回るものと見られていましたが、結局売り手なのか買い手なのかよくわからない動きをしました。
そして2021年オフにイグレシアスと4年契約、ループと2年契約(+1年の球団オプション)、テペラと2年契約など、めずらしく投手と複数年契約を結びました。
エンゼルスとしては、大谷がFAになる前でトラウトやレンドンが年齢的に大きな戦力でいられる2022年、2023年に勝負をかけているような状況だと思います。
したがって大谷が2022年に移籍するというのは基本路線ではなく、エンゼルスは2023年も限られた資金内で一応勝負をかけているような動きを見せると思います。
大谷のトレードは2023年シーズン途中か
ただ、2022年の前半戦で大谷、トラウトが期待通りのMVP級の活躍をしているにもかかわらず、エンゼルスは勝率5割を大きく下回っています。
ここに全盛期のころのレンドンが入ったとしてもまだ厳しく、2023年も前半戦でポストシーズンをあきらめるような状況になると予想されます。
その状況が来たところで大谷を放出し、エンゼルスはしばらく再建期に入るかもしれないというのが普通の見方です。
なぜか日本では今夏にも大谷がトレードされるかのような報道となっていますが、これは大谷に移籍してほしいという願望によるものだと思います。
エンゼルスは特に6月以降、貧打に陥ったため試合を見ているのが苦痛ですし、大谷の表情からも笑顔が減ってきているように感じます。
大谷には強いチームで楽しそうにプレーしてほしいというのは私も同じ気持ちですが、移籍するとしても2023年シーズン途中になる可能性が高いと思います。
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