※2022年最新のエンゼルスのWARはこちらから。
>>【WAR】2022年エンゼルスの選手の個人成績(野手、投手)とチーム打率、チーム防御率など
2021年シーズンを勝率.475、地区4位で終えたエンゼルスは、ポストシーズン進出を7年連続で逃したことになりました。
シーズン終盤には大谷、トラウト、マドン監督から、このままの戦力では勝てないという内容の発言が相次ぎ、オフシーズンに大きな補強があるものと思われます。
本記事ではどこを補強すべきかについて、参考になりそうなポジション別のWARという指標を紹介します。
WARとは?簡単な説明
WARとは走攻守投の指標を組み合わせた、選手の総合指標です。(Wikipedia)
その数値は、控え選手が出場した場合と比較して、どれだけ勝てたかを表します。
例えば、2021年の大谷翔平のWARは、投手分と野手分を合わせて9.0でした。
エンゼルスは2021年に77勝をあげましたが、大谷ではなく控え選手が出ていれば、「77 – 9 = 68勝」だったという計算になります。
(ちなみにここでいう「控え選手」とは、メジャーとマイナーを行ったり来たりするレベルの選手のことです)
WARは完ペキな指標というわけではありませんが、現時点では選手の総合評価として最も信頼できる指標とされています。
下図のように2021年のメジャー30球団のチームWARとチーム勝率の間には、非常に高い相関があり、勝利の指標としてWARが参考になるということがわかります。
エンゼルスのポジション別WAR
WARは勝利数に換算できるので、ポジションの異なる選手でもWARで比較できるのですが、実際には数値が高くなりやすいポジションもあります。
単純にエンゼルスのポジション別WARの数値だけを並べると、本記事の目的であるエンゼルスの補強ポイントを考える上で、誤解が生じる可能性があります。
どこが他のチームの戦力より劣っているかを確認するため、メジャー30球団の平均WAR、30球団の中での順位、偏差値もあわせて表にまとめました。
エンゼルスWAR | メジャー平均WAR | 順位 | 偏差値 | |
先発 | 10.1 | 9.5 | 15 | 50.9 |
リリーフ | 4.2 | 4.2 | 17 | 50.1 |
エンゼルスWAR | メジャー平均WAR | 順位 | 偏差値 | |
キャッチャー | 0.7 | 1.7 | 21 | 43.8 |
ファースト | 1.8 | 2.3 | 18 | 47.4 |
セカンド | 1.4 | 2.3 | 22 | 44.3 |
サード | 0.0 | 2.2 | 26 | 38.6 |
ショート | -0.9 | 3.2 | 30 | 32.1 |
レフト | -0.7 | 1.6 | 29 | 34.1 |
センター | 1.9 | 2.4 | 17 | 47.1 |
ライト | -0.3 | 2.3 | 27 | 37.3 |
DH | 3.7 | 1.0 | 1 | 70.7 |
エンゼルスWAR | メジャー平均WAR | 順位 | 偏差値 | |
投手合計 | 15.1 | 13.6 | 13 | 51.6 |
野手合計 | 7.4 | 19.7 | 30 | 35.2 |
チーム計 | 22.5 | 33.3 | 25 | 41.6 |
※「先発」「リリーフ」のWARはピッチングのみの値ですが、「投手合計」のWARにはピッチングと投手のバッティングのWARが含まれています。そのため「先発」+「リリーフ」=「投手合計」とはなっていません。
※DHのみ30球団ではなくア・リーグ15球団を対象としています。WARは1試合ごとに加算(または減算)されるので、DHでの試合数が少ないナ・リーグのWARはほとんど0になるためです。
偏差値をグラフにしました。(偏差値は50が平均です)
エンゼルスの投手WARは悪くない
エンゼルスWAR | メジャー平均WAR | 順位 | 偏差値 | |
先発 | 10.1 | 9.5 | 15 | 50.9 |
リリーフ | 4.2 | 4.2 | 17 | 50.1 |
投手合計 | 15.1 | 13.6 | 13 | 51.6 |
エンゼルスは投手が悪いとよく言われ、特に中継ぎが試合を崩壊させているイメージがあります。
しかしWARで見ると、実は投手はメジャー平均ぐらいの結果を残していました。
先発(WAR10.1、15位)
WAR | 試合数 | 投球回 | 防御率 | 年齢 | |
大谷 | 4.1 | 23 | 130.1 | 3.18 | 26 |
サンドバル | 2.1 | 17 | 87 | 3.62 | 24 |
スアレス | 1.9 | 23 | 98.1 | 3.75 | 23 |
コブ | 1.7 | 18 | 93.1 | 3.76 | 33 |
バリア | 0.9 | 13 | 56.2 | 4.61 | 24 |
ヒーニー | 0.8 | 18 | 94 | 5.27 | 30 |
キャニング | 0.1 | 14 | 62.2 | 5.60 | 25 |
WAR | 試合数 | 投球回 | 防御率 | 年齢 | |
ディアス | 0.3 | 3 | 13 | 4.15 | 24 |
ジャンク | 0.0 | 4 | 16.1 | 3.86 | 25 |
ノートン | -0.2 | 7 | 22.2 | 6.35 | 25 |
デトマーズ | -0.2 | 5 | 20.2 | 7.40 | 21 |
クリスウェル | -0.2 | 1 | 1.1 | 20.25 | 24 |
バンディ | -0.3 | 23 | 90.2 | 6.06 | 28 |
キンタナ | -0.9 | 24 | 53.1 | 6.75 | 32 |
WAR | 試合数 | 投球回 | 防御率 | 年齢 |
開幕時にローテーションだったキャニング(WAR0.1)・バンディ(WAR-0.3)・キンタナ(WAR-0.9)あたりのWARが悪いです。
その後ローテーションに入ったサンドバル(WAR2.1)・スアレス(WAR1.9)・バリア(WAR0.9)はよく頑張っていました。
今年FAとなるコブ(WAR1.7)もローテーションを任せられる先発であり、契約を更新したいところです。
エース大谷(WAR4.1)を含めて25歳前後の若い選手が多いので、将来的には投手王国になる可能性を秘めています。
しかし、来年勝負をかけられるかと言えば、層が薄く、計算できそうなピッチャーが足りません。
100イニング以上投げたのが大谷しかおらず、大谷以外にエースと呼べるような投手1人と、あともう1人ぐらいはローテーションに入れるピッチャーを補強したいところです。
リリーフ(WAR4.2、17位)
WAR | 試合数 | 投球回 | 防御率 | 年齢 | |
イグレシアス | 2.8 | 65 | 70 | 2.57 | 31 |
マイヤーズ | 1.5 | 72 | 75 | 3.84 | 29 |
シーシェク | 1.2 | 74 | 68.1 | 3.42 | 35 |
ウォーレン | 0.9 | 16 | 20.1 | 1.77 | 25 |
ロドリゲス | 0.4 | 15 | 29.2 | 3.64 | 22 |
タイラー | 0.3 | 5 | 12.1 | 2.92 | 24 |
ラモス | 0.2 | 4 | 4.2 | 0.00 | 34 |
ハーゲット | 0.2 | 14 | 14.2 | 4.30 | 27 |
WAR | 試合数 | 投球回 | 防御率 | 年齢 | |
ワトソン | 0.1 | 36 | 33 | 4.64 | 36 |
キハダ | 0.1 | 26 | 25.2 | 4.56 | 25 |
オルテガ | 0.1 | 8 | 9.1 | 4.82 | 24 |
ウォンツ | 0.0 | 21 | 27.1 | 4.94 | 25 |
ラミレス | 0.0 | 2 | 3.1 | 5.40 | 31 |
ローウェン | 0.0 | 8 | 11.1 | 5.56 | 32 |
クラウディオ | -0.1 | 41 | 32.2 | 5.51 | 29 |
セルマン | -0.2 | 18 | 17 | 6.35 | 30 |
WAR | 試合数 | 投球回 | 防御率 | 年齢 | |
マルテ | -0.2 | 4 | 4 | 9.00 | 25 |
ペーニャ | -0.3 | 2 | 1.2 | 37.80 | 31 |
ゲラ | -0.3 | 41 | 65.1 | 6.06 | 36 |
ストリックランド | -0.4 | 9 | 6.1 | 9.95 | 32 |
ホイト | -0.4 | 9 | 8 | 6.75 | 34 |
ペグエロ | -0.4 | 3 | 2.1 | 27.00 | 24 |
スレガース | -0.5 | 29 | 31 | 6.97 | 28 |
ペトリッカ | -0.8 | 7 | 6 | 15.00 | 33 |
WAR | 試合数 | 投球回 | 防御率 | 年齢 |
リリーフのWARもメジャー平均ぐらいありますが、リリーフの合計WAR4.2の大半は守護神イグレシアス(WAR2.8)が稼いでいます。
あまりいいイメージがないかもしれませんが、マイヤーズ(WAR1.5)やシーシェク(WAR1.2)も登板過多ぎみの中よくやっていた方だと思います。(リーグ登板数シーシェク3位、マイヤーズ4位)
他に頼りになりそうなのはルーキーのウォーレン(WAR0.9)ぐらいであり、先発以上に層が薄いのがリリーフです。
イグレシアスもシーシェクも今年FAなのでどうなるかわかりませんし、この選手層では来年のリリーフの計算ができません。
チームのリリーフの合計WARが意外と悪くなかったからと言っても、来シーズンが安心できるような状態では全くありません。
エンゼルスの野手WARはメジャー最下位
エンゼルスWAR | メジャー平均WAR | 順位 | 偏差値 | |
キャッチャー | 0.7 | 1.7 | 21 | 43.8 |
ファースト | 1.8 | 2.3 | 18 | 47.4 |
セカンド | 1.4 | 2.3 | 22 | 44.3 |
サード | 0.0 | 2.2 | 26 | 38.6 |
ショート | -0.9 | 3.2 | 30 | 32.1 |
レフト | -0.7 | 1.6 | 29 | 34.1 |
センター | 1.9 | 2.4 | 17 | 47.1 |
ライト | -0.3 | 2.3 | 27 | 37.3 |
DH | 3.7 | 1.0 | 1 | 70.7 |
野手合計 | 7.4 | 19.7 | 30 | 35.2 |
エンゼルスWAR | メジャー平均WAR | 順位 | 偏差値 |
エンゼルスは野手の合計WARがメジャー30球団で最下位でした。
しかもエンゼルスの野手WAR7.4のうち、大谷の野手WARが4.9であり、残りの選手全員分を足してもWARが2.5にしかなりません。
毎日エンゼルスのスタメンが発表されると現地ファンから「3Aのスタメンだ」と揶揄されていましたが、たしかに大谷がいないとエンゼルスの野手は3Aレベルでした。
キャッチャー(WAR0.7、21位)
WAR | 試合数 | 打率 | OPS | 年齢 | |
スタッシー | 1.8 | 87 | .241 | .752 | 30 |
ベンブーム | -0.2 | 8 | .222 | .472 | 31 |
スズキ | -0.4 | 72 | .224 | .636 | 37 |
ブテラ | -0.5 | 12 | .094 | .216 | 37 |
※キャッチャーでの試合数:スタッシー86、スズキ69、ブテラ12、ベンブーム7
スタッシー(WAR1.8)は打撃・守備ともにメジャーのキャッチャーの中では優秀です。
前半にケガで離脱した影響もあって試合数が少ないですが、来年もスタメン捕手として活躍が期待されます。
メジャーのキャッチャーは3、4試合出ると休養日を入れるのが一般的なので、控え捕手も重要になりますが、今年のスズキ(WAR-0.4)では力不足でした。
今年FAとなるスズキと契約を延長するとは思いませんが、ちゃんとした控え捕手がもう1人絶対に必要な状況です。
ファースト(WAR1.8、18位)
WAR | 試合数 | 打率 | OPS | 年齢 | |
ウォルシュ | 2.9 | 144 | .277 | .850 | 27 |
プホルス | -0.7 | 24 | .198 | .622 | 41 |
※ファーストでの試合数:ウォルシュ128、ゴセリン23、プホルス20
序盤は外野での出場が多かったウォルシュですが、その後はファーストに定着しました。
そのウォルシュのWARは2.9で、エンゼルスでは大谷の次に高いです。
対左投手に打率.170、OPS.565と苦しんだので、来年は左投手に強い控え選手がいると心強いですが、補強対象としての優先度は低いです。
ちなみにシーズン途中でドジャースに移籍したプホルスは左投手に強い選手でした。
※ゴセリンはユーティリティープレーヤーとして後述します。
セカンド(WAR1.4、22位)
WAR | 試合数 | 打率 | OPS | 年齢 | |
フレッチャー | 1.9 | 157 | .262 | .622 | 27 |
※セカンドでの試合数:フレッチャー142、ロハス14、ウォン10
フレッチャーは序盤と終盤に極度の打撃不振に陥りました。
メジャーのセカンドとしてはWARが低いほうであり、守備での貢献が大きかったとはいえ、不動のレギュラー扱いをされるべき成績ではありません。
3Aにステファニックという打てる選手がいますが(3Aで打率.322、OPS.901)、今のフレッチャーとレギュラーを争えるような選手が出てくるようにならないとまずいです。
補強の優先度としては低いかもしれませんが、安心できるポジションではありません。
※ロハスとウォンはユーティリティープレーヤーとして後述します。
サード(WAR0.0、26位)
WAR | 試合数 | 打率 | OPS | 年齢 | |
メイフィールド | 0.5 | 75 | .224 | .696 | 30 |
レンドン | 0.0 | 58 | .240 | .712 | 31 |
※サードでの試合数:メイフィールド66、レンドン57、ゴセリン32、ロハス12、レンヒーフォ12
メイフィールド(WAR0.5)はスタメン選手としてはもの足りないですが、控え選手としては平均的です。
レンドン(WAR0.0)はシーズンを通して悩まされたケガの影響で、本来の成績を残せませんでした。
レンドンの不調がエンゼルスが勝てない理由の1つとなったと思いますが、来シーズンは復活するものと考えれば補強の必要はありません。
ただ、レンドンは股関節の手術を行っており、復帰に時間がかかるようならば補強も必要になります。
※ゴセリン・ロハス・レンヒーフォはユーティリティープレーヤーとして後述します。
ショート(WAR-0.9、30位)
WAR | 試合数 | 打率 | OPS | 年齢 | |
イグレシアス | -1.0 | 114 | .259 | .670 | 31 |
※ショートでの試合数:イグレシアス114、レンヒーフォ26、フレッチャー20、メイフィールド12
ショートはWARが高く出やすいポジションですが、そのショートでWARがマイナスのイグレシアスが8月末までほぼフル出場でした。
今年のイグレシアスは指標的には打撃も守備も全くダメであり、9月頭に戦力外になるまで彼の出場機会を奪える選手が現れなかったのが残念です。
終盤はレンヒーフォがスタメンで出場していましたが、まだスタメンレベルではなく、最優先で補強すべきポジションとなります。
※レンヒーフォはユーティリティープレーヤーとして後述します。
外野(WAR0.8、30位)
WAR | 試合数 | 打率 | OPS | 年齢 | |
トラウト | 1.8 | 36 | .333 | 1.090 | 29 |
ウォード | 0.6 | 65 | .250 | .769 | 27 |
アデル | 0.3 | 35 | .246 | .703 | 22 |
マーシュ | 0.2 | 70 | .254 | .673 | 23 |
ジェイ | 0.1 | 5 | .357 | .714 | 36 |
ファウラー | -0.2 | 7 | .250 | .536 | 35 |
ラガレス | -0.3 | 112 | .236 | .638 | 32 |
シェブラー | -0.4 | 14 | .147 | .382 | 30 |
イートン | -0.7 | 25 | .200 | .509 | 32 |
アプトン | -0.7 | 89 | .211 | .705 | 33 |
WAR | 試合数 | 打率 | OPS | 年齢 |
※レフトでの試合数:アプトン87、ゴセリン39、アデル25、ラガレス23、ウォード18
※センターでの試合数:マーシュ70、ラガレス62、トラウト36、ウォード12
※ライトでの試合数:ウォード51、ラガレス37、ロハス25、イートン24、アデル19、ウォルシュ18、レンヒーフォ14
トラウト、アプトン、ファウラーと開幕スタメンだった選手が次々に長期離脱し、エンゼルスの外野のWARはメジャー最下位となりました。
わずか36試合の出場に終わったトラウトのWARが1.8で、外野手の中では最もいい数字になってしまっているのも情けないです。(WARは1試合ごとに積みあがるので、試合数が多いほうが高くなりやすい)
マーシュ(WAR0.2)、アデル(WAR0.3)の若手有望選手がそこそこやれそうだったのが好材料であり、おそらく今後もレギュラーとして使っていく方針だと思います。
ただ、若手2人はまだ十分な結果を残せているわけではなく、それなりにやれる第4の外野手、欲を言えば第5の外野手まで必要です。
第4の外野手としてはウォードが期待できます。
「え、ウォード??」と拒否反応を示すエンゼルスファンもいますが、出場65試合でWAR0.6なのでレギュラーを十分争える選手です。
悪い守備のイメージに引きずられがちですが、ウォードの打撃は魅力的で、3Aでは通算179試合の出場で打率.330、39本塁打、OPS1.027です。
今年も後半に3Aに落ちましたが、3Aでわずか13試合の出場とはいえ打率.429を記録し、マイナーレベルの選手ではありません。
もし、エンゼルスがウォードを使う気がないなら、さっさとトレードに出すほうがエンゼルスにとってもウォードにとっても良いと思います。
第5の外野手としては、アデル・ウォードの守備に不安があるため、守備型の選手がいるといいです。
ラガレス、ファウラーがFAとなるので、新しく守備型の選手を補強する必要があるかもしれませんが、外野のWARがメジャー最下位というわりには外野の補強の優先度は高くないと思います。
ユーティリティープレーヤー
WAR | 試合数 | 打率 | OPS | 年齢 | |
ゴセリン | -0.3 | 104 | .261 | .676 | 32 |
ロハス | -0.5 | 61 | .208 | .676 | 28 |
レンヒーフォ | -0.5 | 54 | .201 | .556 | 24 |
ウォン | -0.5 | 32 | .167 | .427 | 26 |
※ゴセリンの試合数:レフト39、サード32、ファースト23
※ロハスの試合数:ライト25、セカンド14、サード12
※レンヒーフォの試合数:ショート26、ライト14、サード12
※ウォンの試合数:セカンド10、サード6、レフト4、ライト4
複数ポジションをこなせるユーティリティープレーヤーですが、今年はエンゼルスの主力があいついで離脱したため、このユーティリティープレーヤーの働きがカギとなっていました。
しかし、ゴセリン、ロハス、レンヒーフォ、ウォンとそろってWARはマイナスに終わりました。
前半戦不調だったローテーションの穴を代わりの選手が埋めていった先発投手陣とは対照的に、野手陣は誰かが離脱した時にその穴を埋められる選手が出てきませんでした。
これがエンゼルスの野手WARが最下位に終わった大きな要因の1つだと思います。
誰も離脱せずにシーズンを終えることは理想ですが現実的ではありません。
ファースト、セカンド、サード、…と1人ずつ優れたバックアップ要員を確保するのはベンチ枠的にも無理なので、主力として活躍できるユーティリティプレーヤーを補強すべきです。
ドジャースのクリス・テイラー、レッドソックスのキケ・ヘルナンデスなどのように、MVP級ではなくとも頼りになるユーティリティプレーヤーがいることが、層の厚さなのだと思います。
DH(WAR3.7、1位)
WAR | 試合数 | 打率 | OPS | 年齢 | |
大谷 | 4.9 | 155 | .257 | .965 | 26 |
※大谷のDHでの試合数126
メジャー最下位のエンゼルス野手陣の中で、唯一メジャー上位(1位)となったポジションがDHです。
もちろん大谷のおかげです。
まとめ
エンゼルスWAR | メジャー平均WAR | 順位 | 偏差値 | |
投手合計 | 15.1 | 13.6 | 13 | 51.6 |
野手合計 | 7.4 | 19.7 | 30 | 35.2 |
チーム計 | 22.5 | 33.3 | 25 | 41.6 |
投手とくに先発はそれほどひどくありませんでした。
野手は層が薄く、故障者の穴埋めや不調選手に変わって活躍するような選手がいなかったのが勝てない原因につながったと思います。
補強ポイントは以下のようなところです。
- 先発エース級
- リリーフたくさん
- スタメンのショート
- 控え捕手
- 主力で活躍できるユーティリティプレーヤー
最後に今年チームに貢献した選手として、WARが1以上だった選手のまとめです。
選手 | 守備 | WAR | 試合数 | 年齢 | |
大谷 | 先発 | 9.0 | 158 | 26 | |
ウォルシュ | 一塁 | 2.9 | 144 | 27 | |
イグレシアス | 抑え | 2.8 | 65 | 31 | FA |
サンドバル | 先発 | 2.2 | 17 | 24 | |
フレッチャー | 二塁 | 1.9 | 157 | 27 | |
スアレス | 先発 | 1.9 | 23 | 23 | |
トラウト | 中堅 | 1.8 | 36 | 29 | |
スタッシー | 捕手 | 1.8 | 87 | 30 | |
コブ | 先発 | 1.7 | 18 | 33 | FA |
マイヤーズ | 中継ぎ | 1.5 | 72 | 29 | |
シーシェク | 中継ぎ | 1.2 | 74 | 35 | FA |
選手 | 守備 | WAR | 試合数 | 年齢 |
>> 【2021】エンゼルスは守備が下手。各選手の守備力を指標UZRから検証
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