最近の副業ブームの中で、手軽に稼げる方法としてメルカリでの転売をおすすめしている人が多くいます。
転売といっても、世間から悪者にされるSwitchの高額転売ではありません。
中国から安く仕入れたノーブランド品をメルカリで販売するという、比較的ちゃんとした輸入ビジネスです。
YouTubeでも「初心者」「誰でも」「簡単」「稼げる」というようなワードで、やり方が紹介されています。
こういう動画を見ていると、利益で毎月5万円ぐらい出すのは簡単に見えます。
実際に私もやってみた結果、月利5万なら難しくなさそうだと感じました。
みなさんも簡単に毎月のお小遣いが5万円増えるならば挑戦してみようと思うかもしれません。
しかし、これらの動画では決して紹介されない落とし穴があります。
実は、利益が5万円になってもお小遣いは5万円にならないどころか、マイナスにもなります。
「なぜ利益があるのにマイナス?」と疑問に感じると思いますが、実際に中国輸入メルカリ転売に挑戦した私の体験談も含めながら、物販ビジネスでの月利5万円の現実について紹介します。
※中国輸入のやり方を詳しく説明するわけではありません。
メルカリ中国輸入転売で月利5万稼ぐための必要資金(理想)
メルカリ中国輸入転売の利益率は30~40%ぐらいと言われています。
ただし、お小遣い稼ぎという意味では、利益率ではなくROIが大事です。
ROIとは仕入れ額に対し、いくら儲かったかという指標です。
例えば、
- 仕入れ額 1,000円
- 販売価格 3,000円
- 手数料・送料 1,000円
この場合の利益は、3,000円-1,000円-1,000円= 1,000円となります。
利益率 = 利益1,000円÷販売価格3,000円 = 33%
ROI = 仕入れ額1,000円÷利益1,000円 = 100%
となります。
こんな感じでROIが100%だとすると、月利で5万円を稼ぐためには、仕入れ額で5万円の資金が必要になります。
イメージとしては、
「5万円で商品を仕入れて、メルカリで15万円で売り、手数料・送料5万円を引いて10万円が手元に残る(=最初の5万円が10万円に増えた)」
このようなビジネスになります。
YouTubeでもこのような紹介のされ方をしていますが、実はこれはただの理想にすぎません。
メルカリ中国輸入転売で月利5万稼ぐキャッシュフロー(現実)
やってみればわかりますが、実際には仕入れた商品がその月に全て売れることはありません。
仕入れた商品の60%も売れればいい方です。
先ほどのイメージに当てはめれば、
「8万円(8万円×60%≒5万円)で商品を仕入れて、メルカリで15万円で売り、手数料・送料5万円を引いて10万円が手元に残る(=最初の8万円が10万円に増えた)」
これが現実的な月利5万円のキャッシュフローです。
この場合、仕入額は増えても先ほどと同じく「月利5万円」となることに注意してください。なんか変な感じがしますが、在庫は売れるまでは経費ではなく資産として扱われるのでこういう計算になります。
つまり、月利5万円と言っても、お小遣いとして使える金額は2万円しか増えていないということです。
また、中国輸入では仕入れを手配してから実際に手元に商品が届くまでに、1か月ぐらいかかります。
したがって、キャッシュフロー的には最初の1か月は仕入額が全額マイナスになります。上記の例だと-8万円です。
2か月目も同じように8万円分を仕入れた場合、今度は1か月分の売上が発生するので10万円は入ってきます。しかし、差し引きでは、
仕入れ8万円×2か月 – 売上10万円 = -6万円
となります。
こんな感じで、月利5万円なのに、しばらく手元のキャッシュフローはマイナスの状態が続く可能性があります。
実際に中国輸入メルカリ転売を1か月やってみた結果
私が2020年12月から1か月半ほど、中国輸入メルカリ転売を実践した結果です。(ラクマ分も含む。)
売れた商品数 | 48個 |
売上 | 129,564円 |
受取代金 | 90,168円 |
利益 | 23,582円 |
使ったお金 | 262,681円 |
手元資金 | -172,513円 |
月利2万円です。一応は黒字ですね。
でも、手元の資金ではマイナス17万円です。
もちろん、まだ中国から輸送中の商品も含めて在庫があるので、これだけのマイナスになっているのですが、たった月2万円の利益のためにこんなことをしているのがアホらしくなりました。
発送作業も面倒なので、在庫を売り切ったら私は中国輸入メルカリ転売をやめます。
月利と手元に残るお金は違うので、お小遣い稼ぎの中国輸入転売はやめたほうがいい
初心者の私でも最初の1か月目で2万円の黒字を出せたので、たしかに中国輸入メルカリ転売で月利5万円は難しくないのだと思います。
しかし、簡単に稼げるとおすすめしている発信者たちは、決して在庫については言及しません。
在庫は資産だというのは会計上の話であって、お小遣い稼ぎをしたい人にとってはただの出費に違いありません。
「キャッシュフロー的にはマイナスになるよ」と言われて始める気になるでしょうか?
少なくとも、月利5万円と聞いて「5万円使えるお金が増える」と勘違いする人は中国輸入メルカリ転売はやめたほうがいいです。
ただ、これが月利50万円になるならば、しばらく手元資金がマイナスでもやる価値はあるかもしれません。しかし、その場合は月に500~1000個ぐらい売る必要があると考えると副業では無理でしょう。
コメント
ちょうど同じお金カテゴリーにあったので、早速拝見しました。
まさに「キャッシュフロー」の概念、その通りです!
しかも自分の人件費を考慮したら、
私の体感的には、
「単価1万円以下、粗利30%以下(在庫あまりなし)」のレベルでは、
自分の時給をちゃんと計算してからの方がよい、
に他ならないかなと。
商品調査・選定・価格交渉・仕入れ・在庫管理・出品・やりとり・発送作業・確定申告を時給対象と考えると、
最低賃金を確保するには、スムーズに作業できたとして、上記ラインが最低限ラインかと。
しかもインボイス制度で消費税を払うとかなったら
さらに10%もっていかれますからね。。。
それならリモートワークで自由時間で最低賃金もらえそうな自分が得意な案件を見つけた方がはるかに良いです。
セドリの類は、昔の日本の女性の内職の現代版みたいなものですね〜
あらためて記事を読み返すとわかりにくいですねw
実はこの記事書いた後も続けてたのですが、税関といろいろやってるうちに割に合わなくなってやめました。
一人でやってるとそういうやり取りでも時給換算で一気に下がってしまうんですよね。
働いた時間で給料が保証されているバイトって良いものだなと感じます。
私はいまだに細々続けてますが、
老後でもできそうな飯の種のためといった側面が強いかもしれません。
多分自分の場合は何かを掘り下げていくのが好きだったり、
予測してそれが当たる楽しさもあるので、
ボケ防止にもなるかなぁと。
田舎は時間拘束の仕事でも平気で1000円以下がゴロゴロなので、
今の日本は行くも帰るも悩ましいですね。。。