無職・保証人なしの場合、不動産屋での賃貸契約は不可能だった話

私がセミリタイアする上での問題は、「住居」でした。

サラリーマン時は、会社の寮(レオパレス)に住んでいました。希望すれば退職後も住み続けることができましたが、元の会社の人が隣に住んでいるのは嫌です。

特に私は退職代行を使って退職しているので、会社の人に合わせる顔がありません。

同じ地域に住み続けると、元の会社の人に合うリスクを気にしながら、コソコソ生活しないといけなくなるので、別の地域に引っ越すことが必須でした。

こうした経緯で物件探しを開始したわけですが、無職での住居探しが難しいことは何となくは承知していました。

ただ、この時は有給消化中で、まだ完全に無職というわけではありませんでした。

まずはSUUMOで物件探し。候補を2件にしぼる

引っ越し先は福岡にしました。

福岡はセミリタイアの移住先としても定番となっていますが、街がコンパクトで生活しやすい上に、家賃がかなり安いです。

ワンルームなら4万円前後で、中心地の駅チカ、見た目もきれいなマンションが多数あります。

さっそく、SUUMOで物件を探しました。

条件は、

これだけ多くの条件をつけても100件近くの物件がヒットしました。

ちなみにこのエリアは福岡で最も家賃が高いエリアです。

ヒットした中から、間取りや周辺環境からいくつか候補をしぼり、最終的には「保証人不要」の記載があった2件に問い合わせをしてみることにしました。

1件目では「無職」と伝えると不動産業者と音信不通になる

SUUMOでは名前とメールアドレスを入力するだけで、簡単に空室状況を確認できます。

夜の10時ごろに問い合わせをし、5分で不動産屋Aから返事がきました。

見学に行くには結構な交通費がかかります。

無駄にならないように、このタイミングで無職であることを明かしました。

最後に唐突に貯金の話を出しましたが、これはネットの情報を参考にしました。

無職で保証人なしだと家賃の支払いに不安をもたれます。貯金があることを示すことで、その不安を解消でき、入居審査が通りやすくなるというものです。

貯金はせいぜい家賃の20か月分を示せればよいらしいのですが、それを大幅に上回る20年分を提示してやりました。

十分な貯金額があるので、審査も余裕で通るだろうと楽観していました。

もう住めることを当然と考えてしまっていて、部屋の間取りを見ながら、「この家具をここに置いて」とか、価格コムを見て「家電はこれを買おう」とか考えながら、不動産屋Aからの返事を待っていました。

ウキウキで新生活のシミュレーションをしていたのですが、返事は1週間待っても来ませんでした。

空室の問い合わせは5分で返事が来たのに、今回は遅すぎる。

少し嫌な予感がしましたが、たまたまメールを見落としただけかもしれないと思い、再度メールを送りました。

福岡から離れた地域に住んでいたので、ひやかしではないという意思表示も入れてみました。

しかし、返事が来ることはありませんでした。

2件目の不動産屋の反応も良くない

正直びっくりしました。

普通、客からの問い合わせを無視しますか？

しかも最初の空室の確認時は即レスをくれたのに、無職と伝えた瞬間に連絡がこなくなったわけです。

不動産屋にとっての無職・保証人なしという人間の価値を実感しました。

とは言うものの、たまたま不動産屋Aがクソだった可能性もあります。

物件候補はもう1つありましたが、今度は不動産屋Aではなく、不動産屋Bでした。

1件目と同じようにSUUMOから空室状況の問い合わせを入れました。

夜9時ごろの問い合わせでしたが、翌日の朝9時に返事が来ました。

正直、「☆」を使ってきたことに若干の嫌悪感がありましたが、とりあえず現状を伝えてみました。

今回は冷やかしではないアピールを最初からしてみました。

すぐに返事が来ました。

「現在のお仕事を退職してしまうと必ず保証人様が必要になってしまいます」

決定的な言葉をもらいました。

やはり、無職で保証人なしでは賃貸契約できないのです。

でもこの書き方だと、有給消化中の今なら契約できそうな感じなので、急いで電話してみました。

無理なんかい。全然無理そうなメールじゃなかったやんけ。

全て紹介できるってなんか怪しいです。

そうは思いつつも、有給消化中で時間はたくさんあったので、福岡旅行のつもりで来店することに決めました。

3件目の不動産屋もそっけない対応をされる

せっかくなのでもう1つ不動産屋を回ることにし、Webサイトから不動産屋Ｃに予約してみました。

今回は最初から、無職・保証人なしであることを明かし、午前に他の不動産屋を回るので午後に来店すると入力しました。

すると、すぐに不動産屋Cから電話が来ました。

無視されなかったことに安心しながら電話に出ると、

不動産屋Bが言ってたことは嘘ではなかったようです。

希望条件も聞かれませんでしたし、全然紹介する気がない感じでした。

無視はされませんでしたが、最初から来るなというような印象です。

これが無職・保証人なしの客への対応なのです。

福岡に足を運ぶも、無職・保証人なしで紹介されたのは事故物件のみ

翌日、飛行機で福岡へ行きました。

コンパクトシティの名のとおり、空港から中心地の天神まで地下鉄で10分ほどで行けて、非常に便利な街だと感じました。

不動産屋Bに入店すると、住所、氏名、勤務先、転居理由、希望条件をカードに書かされました。

とりあえず転居理由は「転職」としておきました。働く気は全くありませんでしたが。

希望条件はSUUMOで入力していた条件をそのまま書きました。

そして、軽く話した後、希望条件に合う物件を店員2人がかりで片っ端からピックアップしていきました。

店員が注目していたのは物件の管理会社でした。

借り手（私）と物件のオーナー（大家さん）までの間には、仲介会社と管理会社がいます。

不動産屋Ｂは仲介会社であり、見学を含めた物件の紹介や、入居申し込みの手続きを行ってくれます。

一方、入居の審査等を行うのは管理会社、およびその先の物件のオーナー（大家さん）となります。

管理会社の多くは、無職・保証人なしでの入居の申し込みを受け付けてくれません。

不動産屋Bもその事情を理解しているので、物件の管理会社名を見て、「ああ、ここは無理だ」とか言いながら物件を探していました。

可能性がありそうな管理会社の物件にはすぐに電話してくれました。

こんな感じの電話をかけながら、1時間近く物件を探してくれました。

結果、申し込みできる物件はゼロでした。

ゼロでした。

そんな中、不動産屋Bが突然ある物件を紹介してきました。

「先に言えよ」と思いながら見せてもらうと、築40年近くで、室内もリフォームされておらず古臭い感じでした。

4階でエレベーターなしというのもきついです。

それでも不動産屋Bは一生懸命プッシュしてきます。

たしかに便利そうな場所で、家賃も他の物件と比較しても破格でした。

せっかく福岡に来たのだから、1件ぐらい見学してみようかな、と思っていると、

さらっと言いやがりました。

孤独死とか自殺ぐらいなら全然気にしないのですが、殺人となると治安面でも不安になります。

結局、無職・保証人なしで紹介されたのはこの事故物件１件でした。

事故物件だからというよりは、仲介会社の管理物件だったから紹介可能だったという感じでしょうか。

無職・保証人なしで家を探した結果まとめ

最後の事故物件も入居申し込みをしたわけではないので、本当に審査が通るかは不明です。

とりあえず紹介はしてもらえそうというだけです。

 

ただ、実は不動産屋Bで、もう１件だけ紹介してもらえた物件がありました。

事故物件ではなく、自分の希望条件を全て満たした物件です。

しかし、この物件は私が有給消化中で、まだ完全に無職ではなかったために入居申し込みができた物件でした。

その後、ちゃんと入居審査も通ることができました。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

無職になる予定なら、必ず退職までに家を探した方がいい話