通常、退職代行を使う人はブラック企業に勤めている場合が多いです。
辞めたいと上司に伝えても、あれこれ理由をつけられて辞めさせてもらえない、、
このような人が最後の手段として使うのが退職代行、というイメージが一般的です。
しかし、そんなブラック企業に対抗するサービスである退職代行を、ホワイト企業に勤務している私が使ってみました。
結果、めっちゃ楽でした。
退職代行を使ったときの退職までの流れを、業者とのLINEでのやり取りを公開しながら紹介していきます。
退職した理由
私は大企業に正社員として勤務していました。
仕事内容は特別きついものではなく、毎日定時帰りで、福利厚生もしっかりしていたので、間違いなくホワイト企業でした。
では、なぜ退職したかというと、自分が怠け者だからです。
残業がないとはいえ、週5日8時間も働くこと自体が嫌で嫌でたまりませんでした。
この先、何十年間もこんな毎日が続くと考えた時に心が折れてしまいました。
こんなふざけた理由で退職するなんて信じられないでしょうが、辞めたい思いは強かったです。
退職代行を利用した理由
退職理由を説明するのが面倒
ホワイト企業なら退職代行を使わなくても辞められそうですが、それでも退職代行を利用したのは、自分で辞めると言うのが面倒だったからです。
通常は退職届を出す前に、面談をしてから退職の承認を得ることになりますが、その面談が大変です。
上司に話し、所属長に話し、人事部に話すという感じですが、それぞれ退職の理由を話すと引き止めようと説得してきます。
退職理由が上記のようなふざけた理由だと全員を説得するのは無理でしょう。
加えて、「課長、ちょっとお話があるのですが・・・」と切り出すのも、タイミングと勇気が必要で、やりたくない行為でした。
通常はすぐに退職できない
さらに、全員を説得したところで、すぐに退職とはなりません。
普通は引き継ぎが必要なため、面談をしてから1か月以上も後の日付で退職届を出すことになります。
実際、自分より先に退職した人は、退職の話を出してから2か月後の退職でした。
退職までの間、その人が退職することは社内に知れ渡っていました。
自分がその立場になることを想像すると、気まずくてどういう顔で出社すればいいかわかりません。
以上から、上司との面倒な面接もなく、即日辞めることができる退職代行を利用することにしました。
退職までの流れ
日曜日の夜に退職代行業者にLINE
ここからは実際に退職代行を使った時の話です。
金曜日の仕事が終わり、その週末に退職代行を使おうとは思っていたものの、退職代行に連絡する勇気も出ずに、気づいたら日曜日の夜になっていました。
月曜日に出社するのはどうしても嫌だったので、ここでようやく連絡を取ることにしました。
この時点で既に日曜日の夜7時半でした。
電話は緊張するので、LINEで業者に連絡することにしました。
退職代行業者を友達に追加したところ、すぐに向こうからメッセージが来ました。
登録ありがとうございます
急で申し訳ありませんが、明日から出社せずに有給を消化してそのまま退職したいのですが
お任せください。では、以下をご回答ください。
①基本情報
- お名前
- ご住所、ご連絡先
- 会社名、所属
- 会社住所、会社電話番号、会社ファックス番号
- 有給残日数
②委任状
ご依頼に当たり委任状が必要です。委任状のデータを送付するので、
- 印刷して署名、押印して写真をLINEで送ってください
または
- 委任状の内容を白い紙に書き写し、署名、押印して写真をLINEで送ってください
③身分証
身分証(免許証や健康保険証)の写真をLINEで送ってください。
LINE便利すぎる。
そして最後に、
④費用
費用のお振込先は○○○○です。
着手金54,000円(税込み)の振込をお願いします。
振込が完了しましたらLINEでご連絡お願いします。
事前にウェブサイトで確認した金額は50,000円でしたが、なるほど、税別だったのですね。
ここまで、LINEで友達登録してから5分です。早い。
まさかの追加料金発生
会社のFAX番号を調べたり、委任状のプリントアウトのためにコンビニに走ったりと、モタモタしている間に1時間以上かかり、LINEの返事を返したのは午後9時すぎになりました。
振り込みました。回答、委任状のご確認をお願いします
一度電話したいのですがご都合いかがでしょうか?
電話ではなくこのままLINEでメッセージではいけませんか?(電話苦手・・・)
このままLINEで大丈夫です。
お給料は手取りいくらでしょうか?
給料を聞かれる意味がわかりませんでしたが、もう5万円を振り込んでしまっているので、素直に答えました。
18万円です。
かしこまりました。有給消化については、1日につき1,000円+税を頂いています。
え??
5万円で全部やってくれるんじゃないの??
かなり動揺しながら、先に費用の確認をしなかったことを激しく後悔しました。
だまされた、これどんどん費用を上乗せされていくやつだ、と思いました。
最初に確認しなかったのですが、その他にかかる費用はどのようなものがありますか?
一切ございません。
全然信用できず、この時は悪徳業者なんじゃないかと、かなり疑いました。
退職日までの給与、賞与、退職金を受け取ることはできますか?費用はかかりませんか?
一切かかりません。
なぜ有給消化だけ追加料金が発生するのかは謎でしたが、ひとまずお金のことは忘れることにしました。
明日会社から電話がかかってくると思います。出たくないのでsimカードを抜いていても大丈夫ですか?
明日業者から会社に連絡が行く前に、出社しないことに気づいた会社の人から絶対電話が来ると思いました。
問題ありません。書面を作成していますのでお待ちください。
しばらくすると、受任通知書というものが送られてきました。(一部抜粋)
**株式会社御中
当職らは、この度、下記依頼者から退職その他一切について依頼を受け、代理人として受任することになりました。
今後,依頼者及び親族関係者に直接ご連絡・訪問等されますと無用のトラブルになりますので,本件に関するご連絡、お問い合わせ等は上記当職事務所宛にいただきますようお願い申し上げます。
直接依頼者及び親族関係者にご連絡・訪問すること等は固くお断りします。
記
1 依頼者
****(所属:**部)
2 事案
自己都合(一身上の都合)退職について
3 退職日
大変お手数をお掛けしますが、依頼者は、令和元年*月**日(月)から出勤しないこととなるので、有給消化日(29日)をもって退職とさせてください。
離職票・源泉徴収票・給与明細、喪失連絡票等の退職時関係の書類は、直接、依頼者までご郵送をお願い致します。会社貸与品については、後日、依頼者より郵送致します。
今回、弁護士が直接受任しておりますので、本件退職についてはくれぐれも直接依頼者及び親族関係人にご連絡・訪問しないように重ねてお願い申し上げます。
※退職届については、退職日が決まり次第、依頼者又は弊弁護士法人より送付致します。
内容に問題ありません。ありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
最後のメッセージは午後11時ごろでした。
とりあえず翌日は出社しなくていいことに安心しながらも、その日は全然眠れませんでした。
当日は会社から連絡は来ることなく退職完了
翌日も朝からドキドキしていました。
今頃出社してないことがバレてるころだな、とか、退職代行を使ったことで騒ぎになってるだろうな、とか考えていました。
スマホのsimカードを抜いていたので電話の恐怖は回避していましたが、ネットにはつなげていたのでLINEで会社から連絡が来てもおかしくない状況でした。
しかし、LINEにも着信もメッセージも来ることはありませんでした。
夜の9時すぎに退職代行業者からようやくメッセージが来ました。
退職の件について連絡いたします。
退職日は有給を消化した後の*月**日となりました。会社からそちらに退職関連の書類が送付されます。
退職理由を会社から聞かれていますので簡単で結構ですので教えて頂ければと思います。
有給分の報酬については残29日の1日1,000円なので31,320円(税込み)を下記に振込お願いします。
退職理由は心身の不調としてください。
振り込みましたのでご確認お願いします。
ありがとうございます。
これが退職代行業者と交わした最後のLINEでした。
後日、会社から退職関連の書類が届き、その書類を会社に提出したことで退職手続が完了しました。
退職までの流れまとめ
退職代行業者とのやり取りをまとめると、
振り返ってみると、めちゃくちゃ楽でした。
会社とのやり取りは、通常の退職でも必要となる簡単な書類の提出のみでした。
引き継ぎやデスクの片付けもなしです。
退職代行を使用する人へのアドバイス
費用は最初に確認すべき
唯一の不満は有給消化の費用を追加で取られたことです。
これにより、私が退職するのにかかった費用は、
54,000+31,320=85,320円でした。
10万円近くかかると考えると少し高かったと感じましたが、普通思い立った翌日から出社せずに退職するなんてできませんから、まぁ悪くないかとも思います。
でも、「追加でかかった」というところが不満です。
やはり料金体系については最初に確認すべきです。
その際、何をやってほしいかを全て伝えて、きちんと見積もりを取ってもらいましょう。
例えば以下のようなことです。
- 有給は消化できるか?
- 給料は支払われるか?
- 残業代は支払われるか?
- 賞与は支払われるか?
- 退職金は支払われるか?
- 会社に残した私物はどうしたらよいか?
- 寮、社宅はいつまでに出ればよいか?
- 離職票などは送られてくるか?
でも、なるべくなら最初から追加料金がかからない退職代行業者を使ったほうがいいです。
退職代行ガーディアンは一律24,800円で追加費用がかからないことを売りにしている業者なのでおすすめです。
退職代行は弁護士または労働組合法人に依頼する
退職代行業者には、弁護士法人と、そうではない業者があります。
絶対に弁護士法人を利用してください。
実は弁護士でないと退職の交渉を行うことはできません。
弁護士でない業者の場合、退職の意思を会社に伝えることができるのみです。
したがって、「○○日に退職します」と業者から会社に伝えたところで、会社が拒否すればそれ以上の交渉にあたることはできません。
もちろん本来は会社に拒否する権利はないので、弁護士を介せば必ず退職できます。
しかし、弁護士ではない業者は交渉ができないので、お金を払ったのに退職をできない可能性があります。
有給の消化や給料の支払いについても「交渉」となるため、弁護士でない業者では良い条件で退職することが難しくなります。
実のところ、弁護士でない業者は退職の意思を伝えるだけなので、あなたが自分で「○○日に退職します」と内容証明郵便を会社に送るのと同じです。
特に、ブラック企業だと法律を無視して退職させないということも平気でやってきますし、また、大企業ならば企業側に顧問弁護士がいるので、弁護士でない業者の退職依頼は無視しても問題ないことを認識しています。
確実に、良い条件で退職するためには、会社と交渉できる弁護士法人に依頼すべきです。
弁護士法人は費用が高いので労働組合法人がおすすめ
ただし、弁護士法人は費用が高いです。
私も結局10万円近く取られました。
私も知らなかったのですが、実は、会社との交渉は弁護士だけでなく、労働組合法人も可能であることが法律で定められています。
退職代行ガーディアンは、東京都労働委員会に認証されている法適合の労働組合で、退職代行の費用は追加料金なしの24,800円と弁護士法人よりも圧倒的に安いです。
弁護士法人と同じく法的に問題なく退職できて、費用もリーズナブルなので、私もこちらを使うべきでした。
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