なぜボクシングの採点は合計228点なのか?判定のポイントのルールについて

スポーツ

ボクシングのライト級の世界戦でロペスがロマチェンコを判定で下しました。

判定は3-0(116-112、119-109、117-111)でしたが、あまりにも大差がついたことで採点を疑問視する声が出ました。

日本でもネット上で物議をかもしていますが、その中で次のような意見がありました。

ロペス>ロマチェンコ
だったけど、ここまでの大差の試合ではない
せいぜい119-118

この意見がバカにされてしまったのですが、問題は3行目のスコアです。

「119-118」はボクシングの世界戦ではありえない点数なのです。

私もにわかファンですが、にわかが評論家を気取ると炎上するので注意しましょう。

今回は、にわかファンだとバレないように、ボクシングの世界戦の採点システムについて見ていきます。

ボクシングはラウンドマストシステム

ボクシングは1ラウンドごとに点数をつけます。

1ラウンド10点満点ですが、世界戦では、どちらかの選手の点数が低くなるようにポイントをつけます。

つまり、優劣をつけらないようなラウンドでも、「10-10」とはせず、「10-9」とポイント差をつけるのです。

これをラウンドマストシステムと呼びます。

また、反則での減点がない限り、優勢のほうに10点をつけます。「9-8」ではなく「10-9」や「10-8」となります。

これを10ポイントマストシステムと呼びます。

ボクシング世界戦ではダウンがなければポイントは合計228点となる

1つのラウンドの両者のポイントを足すと、

10 + 9 = 19点

となります。

世界戦ではこれを12ラウンド行うので、各ラウンドの点数を足していくと、

(10 + 9) × 12ラウンド = 228点

となります。

冒頭のロマチェンコ vs ロペスのスコアを見ても、3人の審判のスコアをそれぞれ合計すると228点となっていますね。

  • 116 + 112 = 228
  • 119 + 109 = 228
  • 117 + 111 = 228

ボクシング的に言えば、12ラウンドは120点満点なので117-111の場合は、「ロペスが3ラウンド落として、ロマチェンコが9ラウンド落とした」という見方になります。

それぞれが落としたラウンド数である3と9を足せば、12ラウンドとなりますね。

実際のスコア表もそのようになっています。

1R2R3R4R5R6R7R8R9R10R11R12R
ロペス101010101010109109910117
ロマチェ999999910910109111
191919191919191919191919228

 

ここまで理解したところで、もう1度このコメントを見てみましょう。

ロペス>ロマチェンコ
だったけど、ここまでの大差の試合ではない
せいぜい119-118

「119 + 118 = 237」です。228になりません。

「119-118」の場合、「ロペスが1ラウンド落としてロマチェンコが2ラウンド落とした」という見方になりますが、ラウンドごとに必ず優劣をつける世界戦では「3ラウンドしかやらなかった」という意味になってしまいます。

したがって、ボクシングの世界戦で「119-118」はありえないスコアなのです。

ダウンがあればポイントは合計228点未満になる

各ラウンドでポイント差をつけますが、必ず「10-9」になるわけではありません。

基本的には1回ダウンした場合は「10-8」、2回ダウンすれば「10-7」がつきます。

また、ダウンしなかったとしても、片方の選手が一方的にラウンドを支配した場合は「10-8」がつきます。

WBSS決勝の井上尚弥 vs ドネアの採点を見てみましょう。

A1R2R3R4R5R6R7R8R9R10R11R12R
井上109910109999101010114
ドネア910109910101010989113
191919191919191919191819227
B1R2R3R4R5R6R7R8R9R10R11R12R
井上101010101010999101010117
ドネア999989101010989109
191919191819191919191819226
C1R2R3R4R5R6R7R8R9R10R11R12R
井上10910101010999101010116
ドネア9109999101010989111
191919191919191919191819227

この試合では11Rに3人のジャッジが「10-8」をつけています。井上選手がドネアから1回ダウンを奪ったラウンドです。

また、5RではジャッジBだけが「10-8」をつけています。ダウンはなかったものの、井上選手が圧倒したという見方になります。

トータルスコアは、

  • ジャッジA 114-113
  • ジャッジB 117-109
  • ジャッジC 116-111

足し算すると、それぞれ227、226、227となります。

このようにダウンしたりすると「10-8」がつくため、スコアを足したときに228点になりません。

しかし、このような場合では必ず228点未満となるので、「119-118」のような足したときに228点を上回るスコアにはなりません。

にわかファンがボクシング世界戦を採点するときの心得

最後に、にわかファンがボクシング世界戦の採点を披露する時に、バカにされないための注意点をまとめます。

  • 試合トータルの印象で決めずに、1ラウンドごとに採点する
  • 各ラウンドはダウンがなければ10-9、1回ダウンなら10-8、2回ダウンなら10-7をつける
  • 両者の12ラウンド合計のスコアが228点以下になっていることを確認する。(1回ダウンなら227、2回ダウンなら226)

終盤にダウンさせてフラフラの状態にすると、判定でもダウンを奪った選手の勝ちとしたくなりますが、ボクシングは1ラウンドごとに採点した合計が判定結果となります。

試合が終わった時点での印象で判定をつけるのはやめましょう。

また、正確には「10-10」をつけることも禁止ではないようですが、実際のボクシングの世界戦では、ほぼポイント差をつける採点となっています。

にわかなら知ったかぶりをせずに「10-10」をつけるのはやめ、基本的には「10-9」をつけていきましょう。

ダウンがなくても「10-8」がつくことはありますが、どのぐらい優位なら「10-8」なのかの判断が難しいので、ダウンがなければ無難に「10-9」をつけます。

ここまで注意しておけば、にわかだとバレません。

手数やアグレッシブさで見るか、有効打や正確性で見るかはジャッジによって分かれるので気にしなくて大丈夫です。

「俺の採点では118-110。2Rと8Rは落としたが、終始手数で上回っていた。」

などと言っておけば、採点議論の輪の中に入れるでしょう。

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